この記事をまとめると
■ジャパンモビリティショーが10月26日~11月5日まで開催されていた■会場内には体験型ブースが数多く展示されていた
■クルマメインの「モーターショー」ではありえなかった展示や体験をすることができた
ジャパンモビリティショーで面白かった展示を振り返る
2023年10月26日に始まり、11月5日まで開催されていた「ジャパンモビリティショー(JMS)」では、モーターショーではなくモビリティショーと名称変更しただけあり、”クルマじゃない”モビリティのコンセプトカーも数多く展示されていた。
筆者が個人的に”面白さNO.1”と感じたのは、いま人気爆発、早期に手に入れるのは困難と言われるトヨタのアルファードの内装をデカくしたギガンティックモデル。これは、実際にアルヴェルやハイエース、ランドクルーザーなどを生産しているトヨタ車体のブースにあり、アルファードの先代モデルの室内を1.7倍にスケールアップした展示物。

ドア、シートを始め、カップホルダーなども1.7倍の大きさでつくられ、実際に乗ってみると、自身が”魔法のクスリ”で小さくなったかのように感じられたりする。乗り込んで、“ギガンティックモデル”を座って体験し、記念写真に収めることもできるのだから、インスタ映え間違いなし、楽しすぎるじゃないか。
モビリティショーということで、クルマ以外の出展も多いなか、乗り物という観点で注目したいのが、まずはホンダのブースで圧倒的な存在感を放っているホンダジェットだ。すでに2015年から運用されているプライベートジェットで、クラスでもっとも飛行速度、高高度、飛行距離でリードしているのが売り。

ブースにあるのはホンモノではなく、実物大のモックアップながら、機内に乗り込む体験も可能であった。プライベートジェット所有のセレブ気分を束の間、味わうことができるというわけだ。
つぎに、夢のようなエアモビリティ、つまり「空飛ぶクルマ」に注目だ。国産自動車メーカーでもホンダのブースでは2021年に初公開されたeVTOL(イーブイトール=電動垂直離着陸機)のモックアップを展示。

HondaJetのノウハウや量産車やレース活動で培ったハイブリッド技術などホンダが築きあげてきたものをeVTOLとして結実させたものだ。
また、航空機メーカーでもあるスバルのブースでも、空飛ぶクルマ……というより巨大なドローンのような構造を持つ、スバルの航空機技術が使われ、すでに飛行実験も成功しているというエアモビリティが展示されていた。

ここでしかできない貴重な体験も数多く用意されていた
JMSでは子ども限定のプログラムも充実。とくに、フェアレディZファンの大人なら、「子どもになって体験がしたい!!」と思わせてくれたのが、Out of KidZania in JMS 2023コーナーの日本モデラー協会のクレイモデラー体験だ。

電車好きの子ども連れなら、水素で走るJR東日本の燃料電池ハイブリット鉄道車両の「HYBARI」の展示を見ないわけにはいかないだろう。なにしろ、2号車の本物が1両、展示されているのだ。鉄道車両もまた、モビリティなのである。
三菱自動車がモビリティショーでアンヴェールしたのが、デリカD:5の未来を占う「D:Xコンセプト」。まるで月面車のような、4代目デリカスペースギヤを彷彿させるルックスが強烈なのだが、なんとトヨタのブースにはホンモノの月面モビリティのルナクルーザーが展示されていた。

しかも、公式アプリ「推しモビ」からの予約で実際に乗り込み、月面での操縦感覚を味わうこともできるというのだから、わくわくが止まらなかった!! スーパーカーを運転することより、実現が難しい体験である。
と、JMSのクルマ以外の出展物についていくつか紹介してきたが、ベストランキングを挙げるとしたら、1位トヨタのルナクルーザー体験、2位ホンダのホンダジェット搭乗体験、3位トヨタ車体のアルファードの内装をデカくしたギガンティックモデル体験。4位は空飛ぶクルマeVTOL (ホンダ、スバルなど)、5位はJR東日本の燃料電池ハイブリット鉄道車両「HYBARI」……ということになるだろうか。

いずれにしても、これまでのクルマメインの「モーターショー」ではありえなかった展示、体験が、モビリティショーとなって可能になったのである。筆者が知りえる”クルマ以外”の出展物で大いに注目した情報、発見は以上だが、ジャパンモビリティショーの会場では、さらなるユニークさがあり、未来感に溢れた、これまで見たこともないような展示、体験があちこちにちりばめられていた。