この記事をまとめると
■レースに参戦するためにわずかな台数のみが生産されたモデルが存在する



■1990年代のGT1規定に合わせてほぼレースカーの市販モデルが複数のメーカーから発売された



■そんな時代の有名な車種をいくつか紹介



日産のル・マンへの意気込みはハンパない

競技に参戦すべく、車両規定に合わせて開発されたレーシングカー。ご存じのとおり、スーパーGTのGTマシンやスーパー耐久のツーリングカーなどは競技専用モデルとして開発されており、一般公道を走行できないようになっているのだが、過去には国際レースの参戦モデルがロードゴーイングカーとして開発されていた。



なかでも、もっとも印象的なマシンが「ニッサンR390」にほかならない。

1990年代、ル・マン24時間レースの最高峰は「GT1」と呼ばれるマシンでトップ争いが展開されており、ニッサンも1997年の大会に合わせて競技用モデルの「R390 GT1」を開発していたが、当時のGT1規定は最低1台の「公道での走行が可能な仕様の登録車」が求められており、各メーカーともに競技用のパフォーマンスを持つ車両をロードゴーイングカーとして登録していた。



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ニッサンもR390 GT1でのル・マン参戦を果たすべく、ロードゴーイングカーのR390を製作。残念ながら販売はされなかったが、R390はイギリスで登録され、世界のスーパーカーファンの注目を集めていた。



ちなみにニッサンは、1995年のル・マン24時間レースに参戦すべく、R33型のGT-Rをベースにしたル・マン専用のGTカー「NISMO GT-R LM」を開発したが、その際にもレギュレーションに合わせて車両公認用のロードカーを1台製作。イギリスで一般車両として登録していた。



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日産「NISMO GT-R LM」のフロントスタイリング



一方、1990年代のル・マン24時間レースで採用されていたGT1規定は、FIAの国際レースでも採用されており、1997年にはグループGT1規定によるFIA-GT選手権がスタート。これに合わせて各メーカーが競技専用車両のGT1を開発しており、公認取得の条件を満たすためにロードゴーイングカーが開発されていた。



ファン垂涎のスーパーカーが続々誕生

まず、メルセデス/AMGが開発したマシンが、6000ccのV型12気筒エンジンを搭載した「CLK-GTR」で、25台のロードゴーイングカーが製作され、約2億5000万円で販売。競技車両と同様にカーボンモノコックを採用したマシンだったが、車高調整機構やパーキングコントロール、トラクションコントロールなどのデバイスのほか、エアコンやオーディオなどの装備が備えられていた。



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メルセデス・ベンツ「CLK-GTR」のフロントスタイリング



また、ポルシェも1996年のル・マン24時間レースに合わせて911をベースに3100ccの水平対向6気筒ターボエンジンをミッドに搭載したGTカー「911 GT1」を開発しており、1997年よりFIA-GT選手権に参戦。



同モデルも公道仕様のストリートバージョンがリリースされており、エンジンに関してはヨーロッパの排ガス規制に合わせてデチューンされていたようだが、1100kgというライトウエイトでありながら、500馬力以上の出力を備えるなど、まさにナンバーを装着したレーシングカーという仕上がりとなっていた。



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ポルシェ911GT1のフロントスタイリング



そのほか、イギリスのコンストラクター、マクラーレンも1994年にスーパースポーツのマクラーレンF1をベースに、ル・マン24時間レースへの参戦をターゲットにしたLMモデル「マクラーレンF1 LM」を開発したほか、1997年のFIA-GT選手権に合わせて「マクラーレンF1 GTR」を開発している。



そのレース仕様車、マクラーレンF1 GTRのホモロゲーションを取得するために公道仕様のロードゴーイングモデル「マクラーレンF1 GT」を開発。6000ccのV型12気筒エンジンを搭載したモンスターマシンで、合計3台が製作された。



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マクラーレンF1 LMのフロントスタイリング



そのほか、トヨタも1998年のル・マン24時間レースに「GT-ONE TS020」を投入すべく、車両公認用のロードゴーイングモデルを開発および登録。



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トヨタ「GT-ONE TS020」のフロントスタイリング



まさに1990年代はレーシングカーと同時に公道仕様車も開発され、世界に数台だけのプレミアムモデルが存在していた。

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