この記事をまとめると
■2024年4月の新車販売台数ではダイハツがどれぐらい数字を戻すかに注目が集まっていた■ダイハツは届出済み未使用車が多いので意外にも他社にユーザーが流れていない
■登録車では納期改善が見られるも1度も前年同月比で100%を超えていない
ダイハツはどうなった?
2024年4月の新車販売台数で注目していたのはダイハツがどれぐらい数字を戻すかであった。ダイハツは大型連休(ゴールデンウイーク)前に全車種出荷再開を発表している。そこで気になる軽自動車の結果を、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)発表の2024年4月単月の新車販売台数統計でみると、ダイハツの軽四輪車総台数は1万6399台(前年同月比33.5%)、軽四輪乗用車6074台(前年同月比17.8%)、軽四輪商用車1万325台(前年同月比69.7%)となっている。
ダイハツも含む軽四輪車総販売台数は10万2810台(前年同月比79.3%)となっている。前年同月比プラスになっていないのはダイハツが前年同月比で33.5%という結果になっていることが大きく影響しているのは間違いない。スズキがダイハツから流れてくるお客の囲い込みを進めていることもあり、前年同月比で116.1%となっている。三菱が前年同月比プラスとなっているが、これは「デリカミニ」が貢献しているようである。日産もデイズ及びルークスのマイナーチェンジ効果もあり、前年同月比で100%を超えている。
それにしても、数カ月も出荷停止となっていたのに、ダイハツ軽乗用車の届け出済み(ナンバー付き)未使用中古車が減る気配が感じられない。定点観測している展示場では、展示車の7割ほどがムーヴ・キャンバス系を中心としたダイハツ車となっている。この届け出済み未使用中古車の多さが、ダイハツ以外のメーカーでの新車販売における「特需」を阻止、つまり他メーカー車へと流れることをかなり抑えることができたといえよう。

5月の統計はダイハツの完全復活を見ることができるのか、引き続き軽自動車ではダイハツに注目していきたい。
乗用車も快調になりつつある
自販連(日本自動車販売協会連合会)による、2024年4月単月の登録乗用車の販売台数は18万1633台(前年同月比94.1%)となっている。2023年はまだ納車までの時間がかかっていたので、3月中に納車したかったけどできなかったぶんがこぼれていたが、改善が進むなかで、前年同月と比べても9割強となっているので、けっして悪い数字とはいえないだろう。
ただ、2024年に入ってからは1度も前年同月比で100%を超えていない。納期遅延もほぼ改善され、魅力的な新型車も溢れているのだが、販売現場では隙間風が流れているようにも見える。とまらない物価高、社会保険料なども含む相次ぐ増税の話などなど、社会不安が増大するなかで、新車販売の世界にもその悪影響が及んでいるように見えてならない。

ただ待っていても新車を買うことへの好材料は当分舞い込むことはないだろう。オートローン金利は利上げするしないに関係なく金利上昇懸念が高い。モデル改良を行えば当然現状の部材費や人件費の高騰などを反映させた価格、つまりかなりの価格アップも覚悟しなければならない。
「それなら新車をやめて中古車へ」という動きもあるが、いまや新車ディーラーでも必死に中古車を販売して利益の上積みを進めようとしているので、程度のいい中古車は右から左へ流れ、展示場に並ぶことはあまり期待できない(そもそもはるか昔から、本当に程度のいい中古車は展示場に並ぶことはないといわれている)。

悩んでいるならまず実行、ディーラーへ足を運んで情報収集することをおすすめする。顔がつながれば道が開ける(いい話が飛び込んでくる)こともあるのだ。