この記事をまとめると
■標識に使用される色は主に4つ指定されている



■標識の種類と色はある程度セットになっているが例外もある



■色はその標識のイメージや心理的な効果を踏まえて決められている



標識に使われている色の定義とは

道路にはさまざまな標識や標示があるだけでなく、その色もさまざまです。なかには、意外な色の標識や標示もあります。そこで今回は、道路標識の意味や色について解説するとともに、色が持つ効果についても紹介します。



本標識の種類と色

本標識には4つの種類があり、標識ごとによく使われている色があります。本標識の種類と意味とよく使われる色は次のとおりです。



「赤」「黄」「青」「緑」が使われる標識の色! 意味と色の関係...の画像はこちら >>



■規制標識:特定の交通方法を禁止したり特定の方法に従って通行するよう指定したりする標識
・よく使われる色:赤



■警戒標識:道路上の危険や注意すべき状況などを事前に道路利用者へ知らせて注意を促す標識
・よく使われる色:黄



■案内標識:地点の名称、方面、距離などを示して、通行の便宜を図ろうとする標識
・よく使われる色:青



■指示標識:特定の交通方法ができることや道路交通上決められた場所などを指示する標識
・よく使われる色:青



規制標識の色は赤だけではない

本標識の種類とよく使われる色をセットで覚えている方も多いのではないでしょうか。しかし、上記の標識の色はあくまでも「よく使われる色」(原則)であるため例外があります。



その一例が、「指定方向外進行禁止」などの青色の規制標識です。



「赤」「黄」「青」「緑」が使われる標識の色! 意味と色の関係が奥深い世界だった
「指定方向外進行禁止」の標識が設置された信号機



指定方向外進行禁止の標識は、規制標識のひとつですが規制標識によく使われる赤色ではありません。このような色分けがされているのは、色が持つイメージや効果を利用しているためです。



使われている色にはそれぞれ役目がある

色のイメージや効果を使っている標識

国土交通省(九州地方整備局 佐賀国道事務所)によると、標識に使われる色について次のように公表しています。



危険や禁止によく使われる赤色(規制標識):注意を引く色で人間の感覚に訴える効果がある



注意によく使われる黄色(警戒標識):赤と同じようによく目立つ色。人の目には前方に飛び出して近く大きく見えるという特性がある。標識以外にも児童の帽子など注意を喚起するものに使われる



目につきやすく読み取りやすい青色(案内標識/指示標識):くっきりとした明るい青色は、視認性が高く、情報を伝える色としてよく使われる。とくに「白地に青」や「青地に白」の文字は、瞬時に判断し、正しく情報が伝わりやすい効果がある



気持ちを落ち着かせ和らげる効果があるだけでなく速いスピードで走っていても確実に読みとれる緑色(高速道路標識):自然界にもっとも多いカラーで、目に優しく、頭をすっきりさせる作用がある。安全・安心のサインでもあるため、非常口への誘導としても使われている



つまり、標識の色は、その色が持つイメージや心理的な効果を踏まえて決められているということです。



「赤」「黄」「青」「緑」が使われる標識の色! 意味と色の関係が奥深い世界だった
高速道路の案内標識



色が持つイメージや心理的効果

参考として、色が持つイメージや心理的効果について紹介します。



:視認性が高く自己主張できる色。

信号機、標識、消火器など、危険を表すサインとして利用される



:赤と同様に目立つ色で危険を表すサインとして使われる。また、トラやハチ、踏切や工事・立ち入り禁止の看板のように黄色+黒は危険を表しているものが多い



:心身の興奮を鎮めて感情の起伏を抑えるたり、冷静・公平に物事を判断したりする効果がある



:緑は暖色でも寒色でもない「中間色」で刺激が少ない色。保守的・受動的・マイペースなど、赤とは反対のイメージを持つ。



色のイメージや心理的効果はさまざまな場所で使われている

今回は標識によく使われる色や例外的な色、色そのものがもつイメージや効果などについて解説しました。色がもつイメージや効果を利用しているのは、標識や標示など交通関連のモノだけではありません。



「赤」「黄」「青」「緑」が使われる標識の色! 意味と色の関係が奥深い世界だった
道路上に設置された警戒標識



そのほかにも、さまざまな場所・モノで利用されています。この機会に色がもつイメージや効果を利用した商品やアイテムを探してみるのも面白いかもしれません。

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