この記事をまとめると
■スバルはかつて自社で軽自動車を手掛けていた



■R2とR1は4気筒エンジンを搭載するなど個性的なモデルだった



■自社開発の軽自動車としてはスバル最後のモデルとなった



軽自動車は時代とともに上質なものへ変化

スバルR1とR2は、SUBARUがまだ富士重工業と名乗り、軽自動車を自社開発していた時代の独創的な車種だ。順番としては、先にR2が生まれ、2年後にR1が登場した。



軽自動車は、1950年代末のスバル360や、60年代に入ってからのホンダN360などによって、庶民のクルマとして大人気となった。

ただ、登録車の日産サニーやトヨタ・カローラが出てくると、人気を二分するような状況になっていった。



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そこに、軽自動車ならではの気軽さを前面に打ち出したのが、スズキ・アルトだった。ボンネットバンという商用車規格を採り入れながら、乗用車としての魅力を失わせない画期的な発想で、再び軽自動車が脚光を浴びたのである。



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スズキ・アルト(初代)



続いて、90年代後半になると、スズキ・ワゴンRが誕生した。背の高いことによる使い勝手の多様さで、消費者を魅了した。なおかつ、ワゴンRは背が高いといっても今日のスーパーハイトワゴンほどではなく、運転席の着座姿勢を乗用車に近づけていたため、走りの楽しいハイトワゴンでもあった。



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スズキ・ワゴンR(初代)



スバルならではの独創性あふれる1台

スバルも、プレオというハイトワゴンを売り出した。他車が直列3気筒エンジンであるのに対し、直列4気筒エンジンをあえて搭載し、より上級な軽ハイトワゴンとして打って出た。だが、ワゴンRやダイハツ・ムーヴほどの人気は得られなかった。そこに登場するのが、R2である。



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スバルR2



R2は、通常の軽乗用車でありながら、外観の造形と、室内の広さや使い勝手ではなく、あえて特別な1台としてのスペシャルティカー的な商品性を特徴とした。



四角く角張った外観ではなく、絞り込まれた造形に加え、フロントグリルには中島飛行機を祖とする系譜を喚起するように、左右に翼が広がるような意匠を与え、スバルらしさを強調した。



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スバルR2



エンジンは、プレオで採用した直列4気筒を積み、より上級で、走りの壮快さを打ち出していた。多人数や家族で乗るより、ひとりで出掛けることの多い人に、独創的な軽乗用として誇りをもてる1台であることを目指していた。



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スバルR2のエンジン



2年後に登場するR1は、その方向性をより際立たせた車種で、2ドアハッチバックとし、個人利用の姿をいっそう強めた。内装も、赤と黒のツートーンで、一般に軽自動車が無難なグレーや黒など一色の内装であるのに対し、私用で使うクルマという位置づけを、乗車しているときに実感できるようにした。



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スバルR1



また、電気自動車(EV)時代へ向け試作車となるR1eを製作し、走行実証を行っている。国内最小の軽自動車で、個人が、環境を意識してEVをひとりで利用するという、時代の到来を見極める試験車両であり、その運転感覚は、モーター走行の喜びを伝える仕立てだった。



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スバルR1e



この経験が、2009年のプラグイン・ステラというEV発売につながる。これは、三菱i‐MiEVと同時代のことだ。その後、2005年にトヨタとの業務提携に合意したスバルは、自社での軽自動車開発を止め、ダイハツの車種を活用しての販売に移行する。



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スバル・プラグイン・ステラ



R1やR2は、自社開発によるスバルの軽の最後を飾る車種であった。

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