なんの変哲もない首都高の地下駐車場にあった!

存在する場所と存在するものがミスマッチなことはよくある。回転寿司店なのにビストロ(湘南に実在)みたいな、いわゆる何これ珍百景的なもの。TV番組でも人気のパターンなのだが、まさか都心で発見するとは……。



新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、外出自粛となる前のある日、仕事で向かったのは汐留。銀座に近くて、オリンピックに向けてどんどん変わっている場所だ。クルマを止めようとして駐車場を探していたところ、首都高の下に地下駐車場を発見。都心にはよくある感じで、首都高が運営しているので料金も安くて、いいこと尽くめ。喜びいさんでスロープを下がっていくと、少し暗めの巨大な駐車場でこれもまたよくある感じだ。



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けっこう混んでいたものの、なんとか止めるところを発見して駐車しつつ、降りて出口に向かって歩いているとなにやら、赤い提灯が……。なんだありゃ、トイレかなにかと思って近づいてみると、なんと中華料理店! 何度も言うが、フツーの地下駐車場の通路沿いである。なぜここに中華料理屋があるのか、というかここでやらねばならないのか!?



味も量も値段も素晴らしいがなぜここで? 都心の地下駐車場にある中華料理屋の異次元感



「マジ、意味わかんなーい」とオッサンながらいいたくなるほどの衝撃を受けつつ、店名も「帝里加」と書いてデリカと読むらしい。当て字にしても少しずれている感じだが、三菱ファンなら喜んでくれるだろうか。



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安価で人混みを避けてクルマで行けるグルメスポットだ

ちょうど昼過ぎでなにも食べていなかったので、こちらでいただくことに。店頭(何度も言うが駐車場の通路)には日替わりランチのボードがあって、なんと600円なり。銀座のすぐ近くでこの激安ぶり。

中身はしょぼいと思いきや、ちゃんと本物がラップをかけて置いてあり、ボリュームも満点だ。ただ、A定食、Bセット、E定食と表記がメタメタなのと、チンジャーロウスと片言な感じが異国感を感じさせられてちょっぴり不安に。



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券売機で先に買うシステムだったので、それでは例のチンジャーロウスでも食べるかと思ってボタンを見ると、各種定食をはじめメニューはとても豊富。そちらもなにやら魅力的だったので、結局「大エビのカキソース定食」と少しばかり凝った感じのものを選んでみた。まぁ、それでも750円なのだが。ちなみに1000円以上のメニューはない。



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店内は14時ぐらいながら、けっこう人はいる。食券を出して、出てくるのを待ちながら見ていると日替わりはあらかじめ準備してあるからか、出てくるのが早くて抜かされまくり。大エビの処理に手間を取られているのかと心配していると、ほどなくして出てきた。実物を見てもやはり750円という価格がにわかに信じられないほどのしっかり感で、量も多い。ちなみに大エビは4尾入り。そしてなによりうまい。

今流行りの町中華的ではあるが、フツー以上だ。



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帰り際に「なぜこんなところでやっているのか?」と聞いてみたところ、片言で「ワカラナイ」とキッパリ。全員中国人で、雇われなのだろうから、わからないのも当然か。たぶん、JRや高速道路の高架下だと家賃が安いというのと同じだろう。だからって地下駐で中華料理屋をやるのは意味がわからないが、とりあえず人混みを避けて、クルマで行けるグルメスポットとしてオススメ。なにより、地下駐にブラブラしている赤い提灯という異次元感だけでも価値ありだ。コロナ禍で外出自粛が続いているが、感染拡大が収束したらぜひ訪れてみてほしい。

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