国内専売モデルは人気があっても消えゆく可能性がある
我々クルマ好きにとって、夢や希望を抱かせてくれるクルマも少なくないが、メーカーにとってはそれが商売であるから、一部のユーザーに深く刺さるようなモデルであっても販売台数が伸びなければ長きにわたって販売することは難しい。
先日、終売となったホンダS660も、軽自動車でありながらミッドシップにエンジンを搭載したマイクロスーパーカーということで非常にニッチなモデルであったが、法改正の影響を受けて販売終了となったわけで、現在販売されている車両もいつなくなってしまうか分からないのである。
今回はそんなニッチ向けの車種をピックアップ。
1)スズキ・ジムニー
現在もバックオーダーを抱えるほどの大人気車種であるジムニー。しかし、専用のプラットホームや縦置きエンジンなど、メカニズム的にはかなり専用設計の部分が多くなっている。
一部の諸外国でも販売されているジムニーであるが、そちらは1.5リッターエンジンを搭載した日本でいうところの「ジムニーシエラ」であり、軽自動車規格のジムニーはニッチな車種ということになる。
まだまだ納車待ちを抱えるほどの人気車種ではあるが、今後海外に軸足を置くようなことがあれば、軽自動車規格のボディを用意する必要もなくなり、シエラに統合されてしまう可能性はゼロではないだろう。
メーカーのアイデンティティであっても安泰とは言えない
2)マツダ・ロードスター
S660が終売となったことで、現在新車購入できる国産車のなかで、MTが設定される後輪駆動オープンカーとして唯一無二の存在となったのがロードスターだ。現行モデルはすでに登場から6年目ということで、そろそろ次期型のウワサも出始めている時期となっている。
世界でもっとも売れている小型オープン2シーターであるロードスターだけに、次期型の開発も進んでいるというウワサもあるが、マツダ車全体からしてみれば圧倒的な販売台数というわけでもない。
3)トヨタ・ハイラックス
かつては日産ダットサントラックやマツダ・プロシードなど、国産ピックアップトラックも存在していた時代があったが、需要の減少によって次々と姿を消してしまっていた。そんななか、2014年にトヨタがランドクルーザー70を復刻し、期間限定ではあるがバンとピックアップを再販することになる。
すると、往年のファンだけでなく業務用車両としてピックアップトラックを活用していたユーザーからも多くの受注を獲得することになり、その影響を受けて2017年から再びハイラックスが日本で販売されることになったのだ。
ただ、復活したハイラックスも一部のレジャーユースユーザーは獲得しているものの、メインは業務用車両として活用しているユーザーが中心となっているようで、そういったユーザーに行きわたったと判断されたら再び供給がストップする可能性も否定できないだろう。