ターボ車には不可欠!? インタークーラーの謎を究明!
インタークーラーは、ターボ車には欠かせないクーリングパーツ。過給器で圧縮された空気は、温度が上昇し密度が下がってしまうので、吸入空気を冷やしてノッキングを防ぐことが重要。インタークーラーには空冷と水冷があるが、現在の主流は空冷式。
大半のクルマはこうした空冷インタークーラーを、ラジエターの前に設置する前置きインタークーラーを採用しているが、スバル車やコンパクトカー、軽自動車などは、エンジンの上部にインタークーラーを持ってくる上置き式となっている。
前置き、上置きにそれぞれ長所も短所もあるので、その違いを比較してみよう。
1)前置きインタークーラー

・長所
バンパーの開口部にあるので走行風がよくあたり、よく冷える。
外からも見やすい位置にあるので、ビジュアル的にも魅力がある。
比較的低コスト
・短所
エンジン本体から距離が離れるので、パイピングが長くレスポンス的には不利。
オーバーハング重量が増すので、ハンドリング的には不利。
クラッシュしたときダメージを負いやすい。
前や上だけじゃなく、中置きも水冷もあった!
2)上置きインタークーラー

・長所
パイピングが短くて済むのでレスポンスがいい。
オーバーハング内の重量を増やさないで済む
ショートオーバーハングのクルマに向いている(スペースの関係)
・短所
ボンネットにエアダクトが必要
重心が高くなる
大型インタークーラーには不向き

こうした理由から、水平対向エンジンでエンジンの上に空間的余裕があるスバル車や、全長に限りがあって設置場所が限られる軽自動車などは、上置き式が多い。一方、ハイパワー車やレーシングカーには、高速域で冷却効率のいい前置き式が選ばれる。
余談だが、ラジエターの前ではなく、ラジエターの後ろにインタークーラーを持ってくる「中置き」というスタイルもある。
これは純正採用ではなく、チューニングの手法で、前置きよりもパイピングが短くなってレスポンスが向上し、オーバーハング重量の軽量化につながるのがメリット。

その代わり、インタークーラーの冷却効率は落ちて、エンジンルームに熱気も溜まりやすくなる。取り付けスペースも限られていて、直6エンジンなどでは難しい。またキットもないので、ワンオフになり、費用がかかる。
ちなみにトヨタのC-HRやVW、メルセデス・ベンツなどで、水冷インタークーラーを採用する車種も出てきていている。

水冷式は部品点数などは多いが、コンパクトでレイアウトの自由度も高いので、これから増えてくるかもしれない。