この記事をまとめると
■木更津市と南房総市にポルシェとコーンズのドライビング体験施設がオープンする



■南千葉はアクアラインを使えば抜群にアクセスがいい



■スポーツカー本来の性能を楽しめる場所を提供するのが目的



ポルシェとコーンズが相次いで施設を開業

今年10月にオープンする「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」は木更津市に作られる。また、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが2022年末開業予定の会員制ドライビングクラブ「THE MAGARIGAWA CLUB」は南房総市に位置する。



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最近千葉県に、クローズドコースを核としたスポーツカーライフを楽しむための複合施設が相次いで生まれようとしている。

これにはいくつかの理由があると考えている。



まずは立地の良さ。千葉県は首都圏の一部であり、東京都に隣接している。加えて東京湾アクアラインが開通し、通行料金はETCを使えば800円に値下げされたことで、県南部へのアクセスが抜群に良くなった。



袖ケ浦市にある袖ヶ浦フォレスト・レースウェイの存在も外せない。東京都心からアクアラインを使えば約1時間で行けることもあり、多くのイベントが開催されている。レースはしない僕でさえ、試乗会などで何十回も訪れているほどだ。



いま千葉県がクルマの聖地になろうとしている! ポルシェもコーンズも「走行施設」に千葉を選んだワケ



この袖ヶ浦スピードウェイを作ったのは、環境庁長官や法務大臣も務めた元国会議員の中村正三郎氏。中村氏は1960年代の日本グランプリにロータス・エランで出場していたほど、モータースポーツに造詣が深い。
日本でサーキットの建設を喜ぶのは一部のクルマ好きぐらいで、多くの人はうるさい、不良のたまり場になるなどの理由で敬遠しがち。そんな中で、国務大臣まで務めた重鎮でありながら、モータースポーツに理解のある中村氏の存在は、クルマ文化を育むうえでプラスに働くはずだ。



ドライビングを楽しめる場所を用意するサービスの一環

ではなぜポルシェやコーンズのような、プレミアムブランドを扱うインポーターやディーラーがこのような施設を作るのか。

もちろんサービスの一環である。スポーツカーを買ってくれたのだから、楽しめる場を用意しましょうというわけだ。



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これは付加価値を売り物にするプレミアムブランドだからこそできることで、車両価格やサービス費用の中に、こうした施設の建設や運営の費用を含めたサービスコストが含まれていると思ったほうがいい。



スポーツカーを楽しめるフィールドとしては、長野県などのほうが向いていると思う人は多いだろう。なのに千葉県に続々とこのような施設がオープンするのは、やはり東京に近いことが大きい。



東京は良くも悪くも日本の機能の多くが集中し、富もまた集中している。ポルシェやフェラーリのオーナーも多い。しかもこうしたクルマはステイタスシンボルでもあり、見られてナンボと考える人は確実にいる。見てくれる人がほとんどいない地方では、所有する意味が薄くなるのだ。



東京のにぎやかさは手放したくない。でもスポーツカーを思い切り走らせる場所は近くに欲しい。単なるわがままにしか聞こえないという人もいるだろうが、そんな願望を、理想に近い形で叶えてくれる場所が千葉県なのである。



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