この記事をまとめると
■最近テレビCMなどで3代目コロナをよく見かける



■日本のモータリゼーションを3代目コロナがけん引していた時期があった



■フロントまわりのデザインから「バリカンコロナ」という愛称が付けられた



カローラ誕生前のトヨタのベストセラーモデル

最近あるテレビ通販番組のテレビCMにおいて、3代目トヨペット コロナ(以下3代目コロナ)が登場している(しかもトヨグライド[自動変速車]仕様)のを見かけた。何か特別な意味があって登場しているわけでもないようなのだが、あえて3代目コロナを選んでいるところが実に興味深い。



ここ数年で見ても、3代目コロナが、缶コーヒーや、銀行系カードローンなど、ちょくちょくテレビCMに登場している。

"古いクルマ=3代目コロナ"のような印象すら受けてしまう。



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3代目コロナは1964年9月にデビューしている。初代コロナは1957年7月にデビュー。その丸っこい愛くるしいエクステリアデザインから「ダルマ」との愛称がつけられた。2代目は1960年4月にデビューしている。1959年に日産自動車から初代ダットサン・ブルーバードがデビューしているのだが、そのスタイリッシュなエクステリアや、日本初の女性仕様車「ファンシーDX」の設定などもあり大ヒットし、"ダルマ"コロナの販売が伸び悩むなか2代目へバトンタッチしている。



3代目コロナは、フロントからリヤまで流れるアローラインを採用した、スタイリッシュな角型基調のデザインがウリでもあり、そして大ヒットし初代カローラが登場するまでは新車販売台数トップとなっていた。



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トヨタはすでに1955年1月に発売した、初代トヨペット・クラウンを乗用車としてはトヨタ初というよりも、国産乗用車として初めて対米輸出を行っている。しかし、その結果はあまり芳しいものではなかった。



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ある時期の日本のモータリゼーションを牽引していた3代目

3代目コロナはアメリカをはじめ世界各国へ輸出されたが、アメリカ市場でも高い評価を受けることとなりヒット。トヨタ製乗用車としては初めて、いまどきで言うところの「グローバルモデル」となったのである。そこを狙っていたかのように、ニュースリリースやカタログでは、"国際感覚"や"世界トップレベル"といった言葉が目立っていた。

当時撮影されたハリウッド映画を見ていると、街なかで路上駐車や走っている3代目コロナが映っていることもよくあり、人気が高かったんだろうなあとは筆者も思っていた。



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当時のスタイリッシュセダンであったコロナセダンをベースに、1965年7月には日本初となる2ドアピラーレスハードトップが、また同年11月にはこちらも日本車では初めてとなる、5ドアセダン(ファストバックモデル)が追加設定されている。



さらに、1967年8月にはコロナ・ハードトップをベースに、1600㏄DOHCエンジンを搭載したトヨタ1600GTも発売となっている。



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こうやって、3代目コロナの系譜を見ていくと、日本のモータリゼーションはまさに3代目コロナがある時期けん引したかのようにも見える。3代目コロナでは乗用車だけでなく、ライトバンやピックアップトラックまでもラインナップしており、また、セダンはタクシーとしても活躍しており、商用車や営業車としても大活躍していた。



なお、フロントまわりのデザインから連想したようで、「バリカンコロナ」という愛称がつけられていた。



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まだまだこれから日本自体が経済成長を続けていくという、日本全国が元気いっぱいななかで登場した意欲作といえる3代目コロナ。登場から57年目を迎えるいまでも、リアルタイムでは見ていない年代のひとたちに対しても強い存在感を放っているので、テレビCMでいまも使われているのかもしれない。

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