この記事をまとめると
■ランフラットタイヤやエアレスタイヤなどパンクしても走れるタイヤの開発が行われている



■自動運転が実用化されるとタイヤ交換できない人しか乗っていない事態も想定される



■安全で安心してクルマを頼れる社会にするためにはタイヤの進化は欠かせない



ランフラットタイヤやエアレスタイヤが研究開発される意義

空気ではなく、樹脂構造で車両重量や走行を支えるエアレスタイヤの研究開発が行われている。なぜ、従来の概念を覆すタイヤが必要なのだろう。



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すでに、タイヤ交換をしたことがない、できないという人は多いのではないか。

もし、パンクをしたら、スペアタイヤやパンク修理剤が装備されている場所もわからなかったり、ジャッキなど工具の扱いもわからなかったりする人もいるだろう。



それほど、クルマは誰もが容易に利用できるものになると同時に、保守管理することを忘れさせるほど、壊れなかったり故障しなかったりする商品になったのだ。



自動運転化時代には不可欠だった! ランフラット&エアレスタイヤ開発が重要なワケ



そのうえで、この先、自動運転の動きが進展すると、もしかしたら運転免許証を持たない人だけで乗車し、移動する機会も生まれるに違いない。そうした自動運転車両のタイヤがパンクしたらどうなるのか?



ランフラットタイヤの商品化が行われた際、空気圧の低下を認識しにくかったり、パンクしたこと自体を体感しにくかったりするため、空気圧を検知する装置が開発され、ランフラットタイヤと合わせて装備することが進められてきた。自動運転の話が出る前から、ランフラットタイヤの採用がより安全な走行をもたらすとして、たとえばドイツのBMWは早くから標準化を進めてきた。



自動運転化時代には不可欠だった! ランフラット&エアレスタイヤ開発が重要なワケ



安心なクルマ社会の実現にはタイヤの進化が欠かせない

一方、既存のランフラットタイヤは、タイヤ側面のゴムを厚くして、万一空気が漏れ、内圧が下がっても、厚みを持たせたゴムで車両重量を支え、走行性能を維持するような構造としている。これにより、パンクしても気付かないほどの操縦性が確保できるのだが、一方で、ゴムの厚みが増せば硬くなり、乗り心地のしなやかさを出しにくいといった弱点があった。



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しかし、タイヤそのものの改良に加え、ランフラットタイヤに適合したサスペンション調整をすることで、乗り心地とパンクへの対処を両立させることも行われてきている。



それでも、スポーツカーなどでは操縦性とランフラットタイヤの相性を極めるのが難しく、BMWでもMと呼ばれるスポーティ仕様では通常のタイヤが標準装備されてきた。



とはいえ、それは特殊な状況であり、ごく一般的な乗用車であれば、ランフラットタイヤであるほうが万一のパンクに対処しやすく、より安全で、安心して運転したり移動したりすることができる。



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これから高齢化社会を日本だけでなく世界的にも迎えるようになる。また、障害者の社会進出も健常者と変わらぬ暮らしぶりとして奨励されていくことになるはずで、そこにクルマでの移動は、より重要性を帯びてくる。



自動運転の時代を待つ前でも、老若男女が安全で安心してクルマを頼れる社会にするためには、ランフラットタイヤやエアレスタイヤの進化と普及は欠かせないと思う。

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