この記事をまとめると
■トヨタグループは2021年の世界自動車生産台数ランキングで1位となった■世界のさまざまな企業がトヨタのやり方に注目している
■そのなかでも「なぜなぜ分析」にスポットを当てて解説する
トヨタグループが自動車生産台数ランキングで世界一に
ここへ来て、改めてトヨタの「なぜなぜ分析」に注目が集まっている。
2021年の世界自動車生産台数ランキングで、トヨタグループ(日野、ダイハツ含む)が二位の独フォルクスワーゲングループを大きく引き離して世界一となった。
自動車産業界は2020年春以降、新型コロナ感染症の影響で生産と販売がグローバルで大きく落ち込んだあと、国や地域での社会状況の差があるにしろ、2020年秋頃から生産と販売は回復の兆しが見えてきた。
2021年になると、半導体不足という社会課題が慢性化してきて、コロナ禍とあわせて生産と販売の回復でメーカー間に差が出るようになってきた。
こうした状況で、トヨタは製造の落ち込みを最小限に食い止め、2021年の第3四半期までの業績では企業の儲けを示す額で過去最高を成し遂げている。
なぜ、トヨタはここまで強いのか? 自動車産業界のみならず、世界のさまざまな企業がトヨタのやり方を検証しようという動きがある。
”トヨタのやり方”で代表的なものといえが、トヨタ生産方式がある。トヨタグループ内では、英語(トヨタ・プロダクション・システム)の頭文字をとってTPSと呼ばれることが多い。
もともとトヨタ生産方式は、アメリカの自動車産業が構築した製造ラインでの効率的なクルマの作り方をトヨタ流にカイゼンしたものだ。
5段階の「なぜ?」のプロセスで構成される「なぜなぜ分析」
その柱となるのが、「7つの無駄」をなくすことである。作り過ぎ、手持ち、運搬、加工、在庫、動作、そして不良の7つについて効率的に行うことが、自動車メーカーにとっても自動車部品メーカーにとっても大きくプラスになるという発想だ。
その上で、たとえばジャストインタイムという手法で、自動車部品メーカーが適宜適量の部品を自動車製造工場に配送する仕組みを作り上げた。
また、不良品が発生したり、作業中に起こるべきではないことが起こってしまった場合など、製造現場のみならず会社全体で原因を究明する仕組みが、なぜなぜ分析だ。

基本的には、5段階の「なぜ?」のプロセスで構成される。ようするに、関係者全員が現状をしっかり把握するために、いろいろな角度から考えてみようということだ。
浮き彫りになった原因に対して、どうするべきかを考えていく。なぜなぜ分析は、トヨタや、自動車メーカーの製造現場に限定した話ではなく、人が何かを行う上で直面するすべての問題に対する解決法のひとつだ。学校や会社はもとより、家庭でのちょっとした出来事にも使える考え方ではないだろうか。
5つのなぜについて、さまざまな環境にあった形でアレンジすることで、あなたの日常生活もカイゼンするかもしれない。