この記事をまとめると
■富士スピードウェイでGR86のTVCMの撮影が行われた



■歴代86が勢揃いして走行



■ドローンの迫力ある映像は必見



夕方の富士スピードウェイでリハーサルが行われていた

3月初旬の富士スピードウェイでGR86のTVコマーシャル撮影が行われるということを聞き、潜入取材させていただくことになった。集合時間は17時、辺りはすっかり暗くなる時間である。少し早めにコースに到着したので、どこで撮影するのかロケハンも兼ねてレーシングコースのまわりを見てまわっていると、ダンロップコーナーからパナソニックコーナーにかけて、もの凄い数のテーブルリフト式ハイライダーがズラリと並べられていて、不思議な雰囲気を醸し出していた。

すると、リハーサルだと思われるが、3台のクルマがレーシングコースをドリフトしながら逆走してきた。



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先頭を走るのは白いGR86、それを追いかけるように同じく白の先代86とAE86がキレイにドリフトを決めていた。「凄い。この撮影を真夜中に、ライトアップして行うのか」現場に立ち入った筆者は、その迫力あるシーンを見て感動すら覚えたのだが、この後、撮影に携わっているスタッフに、どういう映像を狙っているのかを聞くとさらに驚かされた。



GR86のテレビCM撮影現場に潜入! 歴代ハチロクのど迫力ドリフトに震撼



じつは、この撮影は定点での撮影のほかに、ドローン撮影を主として行っていて、ドリフト走行する3台の86をアグレッシブに撮影する手法がとられていた。レーシングコースを走る3台の86をドローンが追走して、途中ドローンがGR86の助手席から車内に飛び込む。そして運転席側から飛び抜けるという非現実的な映像を狙った撮影だったのだ。



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実際にはドローンがコクピットに飛び込むところまでは、ドローンパイロットがドローンを操縦して行い、車内の映像は特殊なスライダーを装着した車両で撮影。そしてその後飛び出すところをドローンで撮影するという特撮映像を組み合わせてひとつのシーンが完成するのだが、完成するTVCMは躍動感のある映像になるというわけだ。



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TVCMの監督である野添剛士さん(SIXクリエイティブディレクター/CEO)に話を聞くことができた。「今回の撮影は、歴代86、3台でのランデブードリフトをドローンでギリギリまで接近して、迫力ある映像を撮るということを狙ったものになります。これはFRの魅力をこれまでにないようなチャレンジングな撮影手法で伝えるという、モリゾウさんとの会話のなかから生まれたものです。

撮影成功の鍵は、3台のドライバーのセンチ単位でのドリフト走行。クルマを操るということと、ドローンを操縦するという『操ると、操る』ところがピッタリと呼吸が合うところが難しいポイントであり、今回の撮影の最大の見所になると思います」とのことだ。



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息の合った3台のドリフトは必見!

今回のGR86の広告は、車種広告でもあるのだが、FRの楽しさを伝えるという意味も併せもったものになっているという。歴代3台のFRを継承している86を使って、GR86の良いところや、トヨタがFRの楽しさを届けつづけることの意味を伝えるということが、今回の広告の狙いになっているようだ。



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また、富士スピードウェイを撮影場所に選んだのは、もともとは海外での撮影も視野に入れていたが、渡航が難しい現状を考え、サーキットをショーアップして異次元空間を演出することを選んだのだという。真夜中のサーキットに、照明を設置したテーブル式ハイライダーが36台設置された。関東中のハイライダーが結集したという。暗闇のなかを無数のライティングでショーアップされたなか歴代86がドリフトする。ロケーションで魅せるというよりも、ドリフトそのものにフォーカスを当てることができたため、これまでのGRのCMとはひと味違った見え方に仕上がった。



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GR86のドライバーは、佐々木雅弘さん、先代86は、松井有紀夫さん、AE86は、高橋しげるさんが務めた。ピッタリ息の合った3人のドライバーだが、走行中のGR86のコクピットにドローンを飛び込ませるというのは、至難の技で、繰り返し同じ走行が行われた。 ドローンパイロットの田中道人さんは、数多くのミュージックビデオやCMの空撮を手がけるフリーランスのドローンカメラマンだが、今回の撮影はかなり難しかったと話す。

まさにFRマシンを操るプロと、ドローンを操るプロの息がピッタリあった瞬間を狙った撮影であったのだ。



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実際に放映される映像というのは、ほんの数十秒だが、実際には3日間富士スピードウェイをクローズにして撮影が行われた。3月の富士スピードウェイの夜というのは真冬の寒さである。途中雪が舞って撮影が遅れたというエピソードもあった。そんな過酷な撮影を経て完成したGR86のTVCMを見てFRマシンの楽しさ、素晴らしさを共有してもらえれば撮影舞台の苦労も報われるだろう。
【CM映像】

【メイキング映像】

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