この記事をまとめると
■世界各国で電動化が進んでいる



■スーパーカー、ハイパーカーもBEVが当たり前の時代がやってくるだろう



■これらをBEV化することは本当にエコなのだろうか?



スーパーカーやハイパーカーも電動化は進む

スーパーカーや、ハイパーカーなど、これからさらに電動化が進みそうだ。欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)が「2035年までに欧州域内で販売する新車は事実上、BEV(電気自動車)またはFCV(燃料電池車)」とする方針を表明しているからだ。



また、スーパーカーやハイパーカーの主要消費国であるアメリカでも、「2030年までに新車の50%以上をEV、プラグインハイブリッド車、またFCV」とする大統領令を発令している。



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そのほか、世界最大の自動車消費国である中国では、電動車の普及に関するNEV(新エネルギー車)規制を段階的に強化し、2035年には電動化を市場の中核に据える方針だ。



中国でも、ベンチャー企業を中心に、BEVハイパーカーのプロトタイプがモーターショーでお披露目されることは珍しくない。本当に量産できるかどうかは定かではなく、話を打ち上げただけでフェードアウトしてしまったケースがこれまでも結構あった。



高額になっても需要は見込まれる

こうしたなか、日本に目を移せば、トヨタが2021年12月にBEVの事業戦略を発表した際、レクサスの上級BEVスポーツカーが近い将来、量産されることを明らかにしている。ホンダもBEVシフトのなかで、次期NSXと目されるようなBEVスーパーカーの量産に向けた動きが表面化しているところだ。スーパーカーもハイパーカーもBEVが当たり前の時代が、ついにやって来そうだ。



だが、ここで「スーパーカーやハイパーカーをBEV化することは、本当にエコなのか?」という疑問を持つ人がいるかもしれない。一般的に、クルマでエコといえば、比較的小型で走行は静かでおとなしい、といったイメージがあるからだ。



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エコとは、エコロジー(地球環境への貢献)とエコノミー(経済性)の両面を指すが、スーパーカーやハイパーカーのオーナーにとっては、エコノミーとしてエコはあまり気にならないだろう。一方、エコロジーについては、趣味性が極めて高いスーパーカーやハイパーカーでも、社会貢献という意識を持つユーザーもいるはずだ。



ただし、スーパーカーやハイパーカーでは大型のバッテリーを搭載したり、車体や電装品の製造には入念な作業が必要であることから、部品製造と車両の最終組み立てに要する総時間は一般的な乗用車に比べてかなり長くなる。そうなると、必然的にCO2排出量が増えるといった視点で、「スーパーカーやハイパーカーのBEV化がエコ」という解釈に対して賛同できないと思う人もいるだろう。



いずれにしても、グローバルでのBEVシフトはこれから加速していくことは間違いなさそうであり、そのなかでかなり高額なBEVスーパーカー・ハイパーカーの需要は十分に見込まれるだろう。

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