この記事をまとめると
■クルマには公的なステッカーが存在する■検査標章、定期点検標章、保管場所標章の3つが挙げられる
■それぞれの貼付の義務について解説する
「定期点検標章」は貼っていると違反になることも!
クルマに貼られているシールには、3つの公的なシールがある。
ひとつはフロントガラスに貼る、車検証シール。「検査標章」が正式名称で、車検の有効期限を表示するもの。
もうひとつは定期点検シールこと「定期点検標章」。これは認証整備工場や指定整備工場で法定12か月点検を受けた際にもらう丸いシール。
このシールには定期点検整備を実施した年月日、次回点検整備をする年月日、点検した工場名などが記されているが、これは貼り付ける義務はないので、貼らなくても問題なし。
それどころか定期点検の期日を過ぎたまま貼っていると保安基準違反になるので要注意!

そして最後が、「保管場所標章」。
車庫証明が下りて保管場所が確保できていることを証明するためのシールだが、最近、輸入車を中心に貼っていないクルマをチラホラ見かける。
確かにデザイン的にかなりいただけないが、このシールは法律によって「保管場所標章の交付を受けた者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該自動車に保管場所標章を表示しなければならない」(車庫法第6条)と義務づけられているので、一部の車庫証明が不要とされる地域を除いて、全車貼る必要がある。
「保管場所標章」は罰則規定がない
また、保管場所標章の表示の方法も「保管場所標章の表示は、当該保管場所標章を当該自動車の後面ガラスに、当該保管場所標章に表示された事項が後方から見やすいようにはり付けることにより行わなければならない」(自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則 第7条)としっかり定められている(※オープンカーやトラック、トレーラーなど後ろに窓のないクルマは、例外的に車体の左側面でOK)。
というわけで、「保管場所標章」を貼らないのは本来NG。
しかしながら、現状では「保管場所標章」を貼っていなくても罰則規定がないのだ……。
したがって、警察官に咎められても、キップも切られなければ、違反点数もないし、反則金も取られない。

それを知っている人は、確信犯的に「保管場所標章」を貼っていない可能性もあるが、違法は違法なので、そうしたユーザーの存在が目立ち出すと、そのうち罰則規定が設けられる可能性はある。
ちなみに「保管場所標章」を紛失したり、紫外線などで劣化してみすぼらしくなった場合は、管轄の警察署で再発行もしてもらうことが可能。手数料も500円前後なので、いつの間にかなくなってしまった、劣化してみすぼらしい、という人は、再発行してもらった方がいいだろう。
余談だが、上掲の通り、一部の地域、たとえば東京の伊豆七島(大島、八丈島を除く)や小笠原など島嶼部などでは、車庫証明が不要なので、「保管場所標章」も発行されない。
また島嶼部以外でも東京都の檜原村や神奈川県の清川村、愛知県の豊根村、福岡県の東峰村などは車庫証明不要地域で、「保管場所標章」も不要だ。