この記事をまとめると
■今も昔もヤンキーをターゲットにしたマーケティングは一定以上の成果をあげている■アニメ「東京卍リベンジャーズ」のヒットで旧車バイクの相場が高騰している
■今回は作中に登場するなかでも人気の高い旧車バイクを紹介する
マイキーの愛車の人気は兄貴分のCB400T超え
10年ほど前に「マイルドヤンキー」なる流行語が生まれましたが、今も昔もヤンキーをターゲットにしたマーケティングはわりと成功しているようです。漫画やアニメが売れるのはもちろん、周辺商材が爆発的ヒットを飛ばしたり、流行によってプレミアがついたりするなど、社会的トレンドになることもしばしば。
ここ最近では「東京卍リベンジャーズ」(以下、東卍)の影響力はすさまじいもので、一部のマニアのみならず「マイルドヤンキー市場」がにわかに活気づいています。
マイキーこと、佐野万次郎が乗っていることで一躍脚光をあびたのがホンダCB250T、ペットネームにHAWK(ホーク)の名がつけられています。
東卍が流行る前まで、ホークといえばホークⅡ、すなわち兄貴分のCB400Tだったのですが、まんまと人気のポジションを奪われてしまった恰好です。旧車のなかでもトップ10に入る人気を誇るCB400Tに比べ、250Tは排気量が少ない分パワーに欠け(26馬力)、現役当時もそれほど売れまくったわけではないにもかかわらず、です。

やはり、ヤンキー漫画の影響は大きくて、メンテのなされた個体なら100万円くらいの値札で並んでいるとのこと。なお、作中では「バブ」と呼ばれており、理由はエンジン音が「バブー」と聞こえるらしいのですが、当時を知る元暴走族に尋ねると「そんなの聞いたことない」とのこと。直管バリバリだったオッサンですから、さもありなん。真偽のほどは不明、としておきましょう。
アニメの影響で旧車市場はにぎわうも熱くなり過ぎは勘弁
マッハの名は、バイクに詳しくない方でも一度は耳にしたことがあるでしょう。

3気筒2ストロークエンジンという今では望むべくもないユニットが搭載され、マッハのペットネームにふさわしい速さを誇ったとされています。前述の元暴走族に言わせると「パイセン(先輩)乗ってたけどうるさかったわ」と、さすが最終学歴:教習所だけあってショッパいボキャブラリを露呈するコメントのみ。東卍では、そんなマッハの次世代にあたるKH400が登場し、暴走族「東京卍會」の創設者たる羽宮一虎がコロがしてる設定。

3本出しのマフラーが奏でるサウンドはそれこそバリバリと勇ましいもの。今でも路上で見かけたりしますが、すぐに「あ、ケッチだ!」ってわかるサウンドです。それゆえ、東卍に登場する以前からやんちゃバイカー御用達なイメージだったのですが、やはり2スト3気筒ってのは歴史的価値もあるので、お値段もグイグイ高騰中。納得いく個体であれば300万円程度で、海外のバリもんは500万円オーバーの値が付いているものさえあるようです。
もっとも、SSはさらにワンランク上の値段ですから、考えようによってはお買い得かもしれません。
ところで、いろんなヤンキー漫画へのオマージュが読み取れる東卍ですが、スズキGSX400FSインパルスを駆る三ツ谷隆は「湘南爆走族」の江口洋助へのオマージュなんですかね。江口もスズキGS400だったし、「手芸のエっちゃん」てニックネームを受けたのか、三ツ谷君も手芸部所属。こういうところでニヤリとしているオールドファン、件の元暴走族みたいな輩もたくさんいることでしょう。

もひとつ忘れてならないのは、これまた暴走族漫画のプラチナム的名作「特攻の拓」に出てきた一条武丸のインパルス。海外でも有名な「BOSOZOKU」マシンで、月光カウル/3段シート/旭日旗カラーすべてを揃えたデフォルトマシン。「インパルス? みなごろしでしょ」元暴走族のコメントがイミフだったのですが、一条君の口癖が「皆殺しにしてやる」だったのですね。
そのほか、暴走族マシンのトップ3たるヤマハRZ350、ホンダCBX400F、カワサキZ400FXといったマシンも程よくスパイシーに登場しており、旧車市場のにぎわいをさらに太く熱くしているようです。

ヤンキーや旧車で経済がまわっているって、なんだかんだいっても日本は平和な国なんだと改めて感じ入りませんかね。