この記事をまとめると
■アイドリングストップ機構がどれくらいガソリン消費を抑えるのかを計算してみた



■1.2リッターで4気筒、30秒停止を1日60回すると仮定した場合、約1.2リッターの節約ができそう



■これを30日続けた場合、6000円以上の節約が可能で、かなり懐に優しいといえそうだ



アイドリングストップは効果ある? ない?

アイドリングストップ機構は、ガソリン消費(走行燃費)にどれほど効いてくるのか。編集部から興味深いテーマを提示された。たしかに、かつてないガソリン価格の高騰は、ユーザーにとっては懐を直撃する深刻な問題だ。

こうした状況下で、停車している車両のエンジンを一時停止させるアイドリングストップ機構は、果たしてどれほど燃費節約に効果があるのだろうか? 大いに気になる問題である。



そこで、アイドリングストップによるエンジン停止状態が、どれほどガソリン消費を抑えることになるのか、シミュレーションしてみることにした。問題は、アイドリングストップの時間と回数だ。信号での停止時間は、幹線道か脇道かでも違ってくるし、赤信号の点灯時間もまちまちだ。また、信号での停車回数もドライバー(選択ルート)によってさまざまである。そこで、1日当たりの停止回数を60回(かなり多いと思うが)、停止時間を1回あたり30秒(あくまで目安としての仮想値)と設定してみた。



ガソリン高騰のいま「アイドリングストップ機構」は効果絶大! ...の画像はこちら >>



車両は4サイクル4気筒、排気量は1200cc。空燃比は14.7対1(これは理想空燃費で現代のクルマはこんな濃い空燃比ではないが)、ガソリン比重は0.73~0.76だが、ここではキリがいいので0.75とし、空気重量は1リットル約1.2g(気温20度、1気圧)とした。そしてアイドリング回転数は600回転/分と設定した。



1200cc4気筒なら1日30分で約6000円の節約!?

まず、アイドリングストップの合計時間は60回×30秒で1800秒、つまり30分ということになる(結構長い!)。では、30分間のアイドリングでどれだけガソリンを使うかということになり、これがアイドリングストップによるガソリン節約分となる。



前提条件は4サイクル4気筒エンジンでアイドリングが600回転だから、1分間の運転による1気筒あたりの燃焼(爆発)回数は300回。

それが4気筒だから合計1200回となり、30分のアイドリングでは3万6000回の燃焼回数となる。



ガソリン高騰のいま「アイドリングストップ機構」は効果絶大! 燃料代の節約量をシミュレーションしたらとんでもなくお得だった



次に、燃焼1回あたりのガソリン消費量だが、まず1気筒あたりの排気量が300ccだから、吸い込む空気の重量は1回あたり0.36グラムとなる。これが30分間で3万6000回行われるから、吸入空気の総量は1万2960グラムとなり、これに対する供給燃料量は、空燃比(重量比)を14.7対1としたから約882グラムとなり、これにガソリンの比重0.75を掛けると容積にして約1176cc、つまり1.176リッターとなる。



レギュラーガソリン1リッターあたりの価格を175円とすると約206円強の節約が行われることなる。これが1日あたりのアイドリングストップ回数なら、1カ月、30日の走行では6180円、ガソリン量にして35リッター近く違ってくることになり、具体性を持たせるなら、クルマを通勤で使い週休2日と考えれば、22日の実動で約4500円が節約できる勘定となる。



ガソリン高騰のいま「アイドリングストップ機構」は効果絶大! 燃料代の節約量をシミュレーションしたらとんでもなくお得だった



※写真はイメージ



今回のシミュレーション値は、空燃比14.7対1と現代のクルマとしては濃い目の設定で、現在のクルマで実際に消費されるガソリン量はこれより少な目となるはずだが、アイドリングストップ機構が働く回数、停止時間が長くなるほどその効果が大きくなるのは言うまでもない。



もともと排出ガス総量の削減のため幅広く導入されたアイドリングストップ機構だが、こうして単純にエンジンを休止させたケースを考えても、その有無で節約できるガソリン量は軽視できず、結果的に、ユーザーの懐に優しいありがたいシステムである。

編集部おすすめ