この記事をまとめると
■スーパーGTはサポートレースも充実している■入門フォーミュラの「FIA-F4」も魅力的なカテゴリー
■「インディペンデントカップ」を設けているのもユニークなポイント
ジェントルマンドライバーも活躍!
国内最大級の人気を誇るスーパーGTはサポートレースも充実している。国内最速のワンメイクレース「ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン」に加えて、入門フォーミュラの「FIA-F4」も魅力的なカテゴリーで、各ラウンドで40台前後のマシンが集結し、激しいバトルを展開している。
FIA-F4は文字どおり、FIAが認定するフォーミュラレースで、FIA-F3や日本では全日本スーパーフォーミュラ・ライツの下位カテゴリーとして、2015年に「FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP」がスタート。
タイヤはダンロップのワンメイクコントロールが採用されるほか、交換できるブレーキパッドも指定のサプライヤーに限定されるなど、まさに入門カテゴリーらしく、イコールコンディションとなっていることがFIA-F4の特徴で、上級フォーミュラへの登竜門として数多くの若手ドライバーがチャレンジ。これまでにF1の角田裕毅選手を筆頭に、スーパーフォーミュラで活躍する坪井翔選手、宮田莉朋選手など多くのドライバーを国内外のトップフォーミュラへ輩出しており、現在も明日のトップフォーミュラを目指すヤングタイガーたちが凌ぎを削っているが、FIA-F4のユニークなポイントがジェントルマンドライバーを対象にした「インディペンデントカップ」を設けていることだろう。
これにより、ステップアップを目指す若手ドライバーにまじって、多くのジェントルマンドライバーがFIA-F4に参戦。インディペンデントカップで激しいバトルを繰り広げているのである。

「以前、GT-Rのクラブトラックエディションでスクールに参加して模擬レースに参戦していたんですけどね。邪魔にならなければ楽しめそうですし、フォーミュラとしてはエントリーしやすそうだったので、FIA-F4に参戦することにしました」と語るのは、2015年のシリーズ設立と同時にFIA-F4に参戦してきたYUGO選手で、なんと64歳の最年長ドライバー。FIA-F4の参戦キャリアは今年で8年目で、8月27日に鈴鹿サーキットで開催された第7戦で通算100戦目の参戦を達成した。
初期コストは800万円ほど
まさにYUGO選手はFIA-F4のレジェンド的な存在で、その魅力について「国産モデルなのでマシンのサポートがしっかりしているし、壊れてもすぐに直せるのでいいですよね。それに160馬力ぐらいしかないんですけど、車両重量が600kgしかないので独特のフィーリングがあって面白い」と語る。さらに「若いドライバーは1年か2年でステップアップして行きますが、彼らと戦えることも刺激になりますね」とのことだ。
気になるフィジカル面について「暑い時は大変ですし、ステアリングは重いけれど、乗っていれば自然に対応できました。フィジカルトレーニングを一生懸命にやったわけではありません」とYUGO選手。さらに「ハコ車と違って挙動がクイックですが、ダウンフォースはあまりないですからね。レーシングカートに乗った経験があるのなら、その延長でドライビングできると思います」と語る。

ちなみに参戦コストについては「私の場合はマシンを購入しました。金額としては700万円ぐらいで、エンジンのレンタル料が100万円。あとはタイヤ代やマシンの運搬費、遠征費などのコストで1戦あたり50万円~150万円ぐらいかかりますが、マシンはレンタルもあるので初期コストは抑えられると思います。それにダウンフォースがあまりないとはいえ、ハコ車とは違うフィーリングなので面白いですよ」とのことだ。
800万円の初期コストでフォーミュラレースにチャレンジできるのは、なかなかリーズナブルで、YUGO選手は「もともとレースを観る側だったので、フォーミュラは別世界と思っていましたが、自分で走ってみたら意外とスムースにできました」とのこと。参加台数が40台前後で、クラッシュ→セーフティーカーという流れがしばしば訪れるほど、激しいバトルが展開されていることから、FIA-F4は観戦していても楽しいレースだが、YUGO選手のように参戦しても面白いレース。興味のある人はぜひFIA-F4にチャレンジしてみてはいかがだろうか?

なお、8月27日に鈴鹿サーキットで開催された第7戦は三井優介選手が優勝し、鳥羽豊選手がインディペンデントカップを制覇。28日の第8戦でもウィナーは変わらず、三井選手が2連勝を達成すると鳥羽選手もインディペンデントカップで2連勝を達成した。