【1~3月M&A】2026年も最多ペースをキープ、金額トップは三菱商事の米国シェールガス開発買収

上場企業によるM&Aが2026年も増勢をキープしている。1~3月のM&A件数(適時開示ベース)は379件と前年を32件、率で9.2%上回り、2022年4~6月から13四半期連続で前年比プラスとなった。

2026年はまだ第1コーナーを過ぎたところだが、今のペースを保てば、3年連続で最多を更新し、年間1500件(2025年は1344件)に迫る見通しだ。

取引金額は4兆7844億円(前年比6.7%減)。こちらは4年連続の年間10兆円の大台乗せが早くも有力視される。

ただ、懸案は2月28日に始まった米国・イスラエルとイランの戦闘の行方。終結への着地点が見いだせない事態となれば、産業界のM&Aを含めた投資マインドに冷や水を浴びせかねない。

国内・海外案件とも過去最多ペース

上場企業に義務づけられた適時開示情報をもとに経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A Onlineが集計した。

1~3月のM&A379件の内訳をみると、日本企業同士の国内案件が前年比22件増の308件、国境をまたぐ海外案件が同10件増の71件。国内、海外ともこれまでの最多ペースとなっている。

2025年のM&A件数は年間1344件(国内1114件、海外230件)と前年を123件、10%上回り、2年連続の最多更新となった。国内案件だけで初めて1000件の大台を突破し、海外案件も3年連続で200件を超える高水準で推移した。

こうした流れを引き継いで2026年も衰え知らずの展開となっている。1月108件、2月121件、3月150件と続き、月間100件を超えるのも昨年8月から8カ月連続となった。

一方、1~3月の取引金額4兆7844億円は、第1四半期として前年(5兆1265億円)に次ぐ。

上位10はいずれも1000億円超で、9件は米国関連の案件だった。

三菱商事、住友林業が米国企業を大型買収

金額トップは三菱商事。1月半ば、シェールガス開発を手がける米国エーソンを買収すると発表した。株式の取得額は約8200億円。これに有利子負債の引き継ぎ分を加えた買収総額は1兆2000億円で、三菱商事として過去最大のM&Aだ。環境負荷が低く、脱炭素への移行期に適するとされる天然ガス事業の基盤強化を狙いとする。

エーソンはテキサス州とルイジアナ州にまたがるヘインズビル盆地にシェールガスの権益を持つ。ピークを迎える2028年度の生産量はLNG(液化天然ガス)換算で年間1800万トンを見込み、日本が輸入するLNGの約4分の1に匹敵する規模という。

住友林業は約6500億円を投じ、ニューヨーク証券取引所上場で米国の戸建住宅大手トライ・ポイント・ホームズを傘下に収めることになった。これにより、住友林業グループの米国での戸建住宅の年間供給は1万8000戸規模と全米5位に躍進する運びだ。

国内住宅着工戸数の減少が続く中、日本の住宅大手は成長が続く米国での事業拡大を競っているが、なかでも先行してきたのが住友林業。

同社は2003年に米国の戸建住宅事業に進出。現地企業の買収をテコに事業を拡大し、2025年に年間販売戸数が1万戸を超えた。

2030年には2万3000戸の供給を目標としており、さらなる買収が予想される。

久光製薬のMBO、トップ10で唯一の国内案件

トップ10中、唯一の国内案件が久光製薬の非公開化案件。創業家出身の中冨榮社長が主導するMBO(経営陣による買収)で、買付代金は最大3934億円。

【1~3月M&A】2026年も最多ペースをキープ、金額トップは三菱商事の米国シェールガス開発買収
久光製薬の看板(東京駅前)

MBOとしては2023年末から24年初めに行われた大正製薬ホールディングスの案件(最大約7070億円)に次ぐ規模となった。MBOは2月半ばに成立し、久光製薬は近く東証プライム市場への上場が廃止となる。

同社は抜群のブランド力を持つ貼付剤「サロンパス」をはじめ、鎮痛・消炎剤や一般医薬品を手がける。国内医薬品市場が成熟化する中、成長戦略の柱とする海外事業で積極的な投資を進めるうえで短期的な業績や株価にとらわれない経営体制が必要と判断した。

コロワイド、「珈琲館」運営会社を傘下に

外食産業でも大型案件があった。「珈琲館」や「カフェ・ベローチェ」などのカフェ事業を展開するC‐United(東京都港区)を子会社化したのは外食大手のコロワイド。約440億円で4月1日付で全株式を取得した。コロワイドとして過去最大のM&Aで、これまで手薄だったカフェ事業に本格参入する。

【1~3月M&A】2026年も最多ペースをキープ、金額トップは三菱商事の米国シェールガス開発買収
コロワイドが傘下に収めた「珈琲館」

同社は居酒屋「甘太郎」を祖業とし、積極的な買収で業容を広げてきた。代表例として2012年に焼肉店「牛角」を137億円、2014年に回転すし「かっぱ寿司」を186億円、2020年定食屋「大戸屋ごはん処」を71億円で買収したが、今回のカフェ案件はこれらを大きく上回る。

【1~3月M&A】2026年も最多ペースをキープ、金額トップは三菱商事の米国シェールガス開発買収
2026年1~3月:M&A金額上位25

文:M&A Online

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