ハンドメイド作品の売買サイト運営の「クリーマ」近づくM&Aとはどんなもの?

ハンドメイド作品の売買や広告、イベントなどを手がけるクリーマ<4017>にM&Aが近づいている。

2025年4月に公表した事業計画で掲げた「今後2年以内に総額7~8億円規模のM&Aを実行する前提で調査・交渉を進める」との方針に沿って複数案件を検討したが、実行には至らなかった。

2026年4月に公表した事業計画では、この計画に変更はなく「非連続的な成長を目指してM&Aを推進し、クリーマ経済圏の価値と競争力を向上する」と改めてM&Aに意欲を示した。

計画通りに進めば、今後1年以内にM&Aが実現することになる。どのようなM&Aを模索しているのだろうか。

クリーマ経済圏を広げるM&Aの行方は

クリーマは、ハンドメイド作品の売買サイトを運営する「マーケットプレイスサービス」、広告関連の「プラットフォームサービス」、イベント関連の「イベントサービス」、クラウドファンディングや動画レッスンなどを含む「新サービス群」の四つのサービスで事業を構成する。

ハンドメイド作品の売買サイト運営の「クリーマ」近づくM&Aとはどんなもの?
クリーマの売上高構成比

ハンドメイド作品の売買サイトを中心に、広告、イベント、クラウドファンディング、動画レッスンなどを組み合わせて、クリエーターを支援する事業を手がけている。

同社では、こうしたクリエーターが創作し、売り、広げ、収益化するまでを一体で支える事業基盤をクリーマ経済圏と位置付ける。

クリーマ経済圏の核となるハンドメイド作品の売買サイト「Creema」は、2026年2月期の年間流通総額が148億円を超え、日本最大のハンドメイド売買サイトとしての地位を確立したとする。

2024年に「Creema」と連携可能なネットショップ開設サービス「InFRAME」をリリースしたほか、2025年にはギフトカタログサービス「Creema GIFT CATALOG」を投入し、ギフト市場に本格参入するなど、サービスの拡充を進めている。

さらにクリエーターが自身の作品を「Creema」上でPRできる「内部広告」、法人や地方自治体向けのPR支援サービス「外部広告」など、独自性の高いサービスを順次追加し、事業の幅を広げている。

2020年に、モノづくりを応援するクラウドファンディング「Creema SPRINGS」をリリースしたのをはじめ、2021年にはEdTech領域(教育とデジタル技術を組み合わせた領域)に参入するなど、新サービスの拡充にも取り組んでいる。

同社ではこうしたクリーマ経済圏の価値と競争力を高めるため、事業基盤の強化や新たなシナジーの創出につながるM&Aを模索する。

事業計画から考えられるM&Aの対象としては、まずギフト関連分野が挙げられる。

同社はギフト市場への本格参入を成長戦略の柱に据えており、ギフトEC(電子商取引)や法人向けギフト、カタログギフトなどが候補になりやすい。

このほか、ネットショップ開設サービスの「InFRAME」との連携を深めるためのネットショップ構築、販売管理、受発注、会員課金などの周辺分野も対象となりうる。

広告分野ではSNS販促や広告運用、EdTech分野では講座販売、資格講座、教育コンテンツ制作なども視野に入りそうだ。いずれも既存事業とのシナジーを見込みやすい。

これまでのM&Aとしては、2020年のハンドメイド関連サービス「ハローサーカス」の事業譲受と、2021年の人気アーティストのレッスン動画のプラットフォームを運営する「FANTIST」のグループ化の2件がある。

これに続くのはどのような案件になるだろうか。

先行投資で大幅減益に

クリーマは2009年に東京都渋谷区で多世代型コミュニティマンション事業を行う赤丸ホールディングスとして設立された。

同事業は半年ほどで撤退し、翌2010年にハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」のサービスを始めた。

ハンドメイド作品の売買サイト運営の「クリーマ」近づくM&Aとはどんなもの?
クリーマの沿革と主なM&A

同社は「プロ・セミプロ中心のクリエーター基盤」「高品質のサービス・プロダクト」「さまざまなサービスが高度に連携したクリーマ経済圏」の三つが、競争優位を生み出し、市場に高い参入障壁を構築していると分析する。

現在の国内ハンドメイドマーケットプレイスの顕在市場規模は315億円で、潜在市場規模は約3087億円とみており、同社の成長余地は大きいとする。

そうした状況の中、2026年2月期は売上高25億3500万円(前年度比1.1%増)、営業利益4200万円(同58.6%減)と増収ながら大幅な営業減益となった。

2027年2月期も売上高27億8000万円(同9.7%増)、営業利益600万円(同85.6%減)と増収ながら2期連続の大幅な営業減益が避けられない見込みだ。

いずれも今後の成長に向けた開発投資の先行実施によるコストアップが要因で、2028年2月期以降、売上高、利益ともに大きな成長を実現する事業基盤を構築するとしている。

M&Aが今後の成長加速にどうつながるかが焦点になる。

文:M&A Online記者 松本亮一

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