3PL大手の「SBSホールディングス」タイヤ物流を束ねる取り組みを始動 業界別プラットフォーム化を拡大

3PL(サードパーティーロジスティクス=荷主企業の物流業務の一括受託)大手のSBSホールディングス<2384>が、2025年10月に傘下に収めたブリヂストン物流を足がかりに、タイヤ業界全体の物流を束ねる取り組みを始めた。

同社はこれまでもM&Aで取得したメーカー傘下の物流会社の基盤を生かし、食品や事務機器などで共同物流や物流プラットフォーム化を進めてきた。



今後もメーカー傘下の物流会社などを対象にM&Aを進め、買収先の強みを生かした業界ごとのプラットフォーム化を進める方針で、2030年12月期にM&Aで600億円の売上高を上積みする計画だ。

3PL大手の「SBSホールディングス」タイヤ物流を束ねる取り組みを始動 業界別プラットフォーム化を拡大

SBSグループは物流事業を中心に、不動産事業などを展開している。SBSホールディングスが株式の66.6%を保有するブリヂストン物流も、グループの物流事業を担う一社だ。

全国41拠点を生かし業界課題に対応

SBSホールディングスは2026年8月に発行した統合報告書で、タイヤ物流を束ねる構想の具体像を示した。

さらに同月、ブリヂストン物流を2026年10月1日付で「SBSタイヤフロンティア」に商号変更すると発表した。

新社名には、タイヤ物流を束ねることでタイヤ固有の物流課題に挑み、タイヤ物流の革新と発展を主導する決意を込めたという。

ブリヂストン物流は北海道から九州まで41カ所の倉庫を持ち、地区DC(配送センター)から約12万カ所への広域配送を担っている。

この全国ネットワークを生かし、ブリヂストンだけでなく、タイヤや親和性の高い商材を扱う企業にも共同物流の提案を強化している。

保管や輸送を共同化することで積載率を高め、人手不足の緩和や環境負荷の低減など、タイヤ業界に共通する課題への対応につなげる考えだ。

SBSホールディングスは、ブリヂストン物流の買収を発表した2025年6月に、タイヤ物流でも共同配送へのニーズが高まっているとして、SBSグループとして取り組む考えを明らかにしていた。

その後、同社は2026年2月に2026年12月期から2030年12月期までの5年間の中期経営計画を策定。

この計画の中で、タイヤ物流をはじめ、グループ各社が強みを持つ領域を「ブルーオーシャン」と位置付け、特定領域のプラットフォーマーとなることで、規模のメリットやサービス品質の向上につなげる方針を打ち出していた。

メーカー傘下の物流会社を相次ぎ買収

SBSホールディングスは、メーカー傘下の物流会社をM&Aで取り込み、各社が持つ顧客基盤や倉庫・配送網、業界ノウハウをグループに取り込んできた。

2004年には雪印乳業の物流子会社で、食品の低温物流を手がける雪印物流(現SBSフレック)を子会社化した。



2010年にはJVC・ケンウッドHD傘下で日本ビクターの国内物流業務全般を担うビクターロジスティクス(現SBSロジコム)を子会社化し、翌2011年には日本ビクターの物流子会社だった日本レコードセンター(現SBSロジコム)も取得した。

2018年にはリコー傘下のリコーロジスティクス(現SBSネクサード)、2020年には東芝傘下の東芝ロジスティクス(現SBS東芝ロジスティクス)を子会社化した。

さらに2021年にはSMC傘下の東洋運輸倉庫(現SBSロジコム)と古河電気工業傘下の古河物流(現SBS古河物流)を子会社化した。

こうした買収先の物流基盤を生かし、SBSフレックでは冷蔵・冷凍物流のプラットフォーム化を進め、SBSネクサードでは事務機器などの共同物流を展開するなど、業界ごとの共同物流や物流プラットフォーム化に取り組んできた。

3PL大手の「SBSホールディングス」タイヤ物流を束ねる取り組みを始動 業界別プラットフォーム化を拡大
SBSホールディングスの主なM&A

M&Aで600億円を上積み

現中期経営計画では、物流、不動産など既存事業の成長に加え、M&AとPMI(M&A後の統合作業)によるインオーガニック成長を重要戦略に位置付けた。

M&Aの対象には、これまで買収を重ねてきたメーカー傘下の物流会社のほか、輸配送ネットワークの拡充を見据えた案件を想定している。

同社は2030年12月期に売上高7000億円(2025年12月期は4903億4400万円)を目指しており、このうち、物流、不動産、その他のオーガニック成長で6400億円を見込み、600億円をM&Aによる上積みとして計画している。

単に物流会社を傘下に収めて売上高を増やすだけでなく、買収先の強みを生かして顧客や取り扱い領域を広げ、特定領域の物流プラットフォームを目指す考えだ。

こうしたM&AとPMIによる事業拡大をどこまで実現できるかが、2030年12月期に向けた成長計画を左右することになりそうだ。

文:M&A Online記者 松本亮一

【M&A速報、コラムを日々配信!】
X(旧Twitter)で情報を受け取るにはここをクリック

【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック

編集部おすすめ