TOHOシネマズが邦画、洋画問わず“いま、気になる映画・映画人”をピックアップして観客へ届ける「TOHOシネマズ・ピックアップ・シネマ」が4月16日、東京・TOHOシネマズ日比谷で開催。Vol.12となる今回は『俳優・蒼戸虹子』と題し、現在公開中の出演作『脛擦りの森』(渡辺一貴監督)が上映され、蒼戸が登壇するトークイベントも行われた。
現在17歳の蒼戸は、2024年にデビューし、ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』や映画『白の花実』に出演。RADWIMPSのMV出演や、写真集「pegasus03」のモデルとしても活動している。蒼戸にとって『脛擦りの森』は2作目となる映画出演。岡山県に伝わる妖怪「脛擦り(すねこすり)」に着想を得た“神秘的で残酷な愛の物語”で、蒼戸は謎の老人と暮らす若く美しい妻・さゆりを圧倒的な存在感で演じている。
蒼戸が単独で舞台挨拶に立つのは、この日が初めて。ファンの拍手に後押しされ登壇すると「緊張しているんですけど、楽しくお話ができればと思います」と笑顔を見せた。
脚本を読んだ第一印象は「静かに怖さがずっと続く感じが面白い。本当にありそうな話だと自然に思えた」。演じるさゆりは、わずかな台詞量の代わりに、その“歌声”が重要な役割を果たすキャラクターで「自分がどこまで表現できるのか悩んだ」と語った。
主演の高橋一生が、4時間におよぶ特殊メイクによって森の奥深くで暮らす老人に扮する。また、主演作『見はらし世代』で脚光を浴びる黒崎煌代が、深い森で足に傷を負った若い男を演じている。経験豊かな両名との共演に「プレッシャーもあった」といい、「緊張もありましたが、(出演者が)3人だけなので、いろんなことを学べる贅沢な時間になると思った」と振り返る。
渡辺監督が岡山県の森に足を運び、その地に伝わる物語からインスピレーションを受けてオリジナル脚本を執筆。岡山県の高梁市にある穴門山神社や新見市で撮影が行われた。
「ホテルから車で1時間。その後、歩いて30分くらいで穴門山神社に着くんですが、朝も早いし、衣装のままの移動だったので大変で。ですが、そこに流れる時間や空気のおかげで、『さゆりがその場で感じたことを大切にしよう』と思えて、自然と役に入り込んでお芝居ができました。寒い中での撮影でしたが、現実感がないのか、寒さも感じなくて。意識せず、自然と集中できる空間でした」。
何より、さゆりというキャラクターを息づかせるため、蒼戸が試みたアイデアの数々を、渡辺監督が率先して採用したそうで「自分も作品づくりのなかにいるんだと実感できた」と誇らしげ。「さゆりの一番怖いところは純粋さ。こう演じたいという意思があったので、難しさよりも楽しさがあった」と確かな手応えを示した。
本編の上映時間は61分間。それでも「あっという間に感じる日もあれば、何時間も何日間もずっと森の中に迷い込んでいる感覚にもなれる映画」だといい、「きっと天気でも変わると思います。
この日は、蒼戸演じるさゆりが、色鮮やかで巫女のような衣裳を着用した姿が印象的なアザービジュアルポストカードが、ピックアップ・シネマ限定の入場者特典として配布された。
取材・文:内田涼
<作品情報>
『脛擦りの森』
公開中
公式サイト:
https://synca.jp/sunekosuri
(C)『脛擦りの森』プロジェクト

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