
Text:吉羽さおり Photo:近藤勇斗
4月6日にスタートした超☆社会的サンダルの春の全国ツアー『あゝ、私もいつかはCity girl』tourが、5月6日に新宿LOFTでファイナルを迎えた。全公演ソールドアウトし、超☆社会的サンダル初のワンマンライブとなったこのファイナル公演もソールドアウト。

タケマスター(g/cho)
待望のワンマンへの歓喜と期待感で熱気に満ちた会場にまず投下したのは、「みなさん、シティガールってどういう意味か知ってますか──」というオニザワマシロの口上でスタートする「City girl」。ツアータイトルであり、ワンマン翌日の5月7日に配信&MV公開となった新曲だ。タイトなビートにギターがメロウに響き、憂いを帯び、それでいて覚めた空気も纏ったボーカルがぎゅっと観客の心を掴んでいく。

オニザワマシロ(vo/g)
巻き舌で、徐々に曲の馬力を上げていくと、「よろしく」(オニザワ)の言葉と共に続く「17」へと突入。ノイジーなギターと疾走感のあるビートで、観客を揺さぶっていった。「魚を追いかけて」から「チチンプイプイプイ」と、ボリューム感のあるバンド・アンサンブルに観客がコブシを上げ、前のめりなくらいにシンガロングする。まだまだ序盤だが、バンドと観客との親密なムードが感じられる。

林田翔馬(ds/cho)
「初のワンマンです!」とオニザワが興奮気味に語ると、林田が「“あゝ、私もいつかはCity girl “ tour、全公演ソールドアウトしました。夢が叶った、ありがとう」と続けた。
たくさんの人で埋まったフロアを見渡すようにして、オニザワは「ヤバいね、ソールド」と改めて口にすると、かっこよくいさせてもらえるのはお前らのおかげ、とここからグッとアクセルを踏み込んで「熱中症」で観客の熱を上げる。そこに続いた「ほんとの明日」では、いけるか!という声とともにタケマスターのパワフルなギターリフがフロアを駆け抜けていって、オニザワは観客に支えられるようにしてステージから身を乗り出して歌う。

ふじお(b/cho)
「私のこと好き?」というオニザワの問いかけに、「大好き!」「愛してる!」と応える観客。なかでも同世代の女の子の声が大きい。あまり人には言えない、わかってほしいけれど簡単にわかられてたまるかと形を変え続ける、10代や20代の心模様に、超☆社会的サンダルの音楽は優しく触れる。誰かのための歌じゃない、オニザワによる超個人的でわがままな歌だからこそ、分厚い壁を溶かして心に触れるものがある。そんな密かな共犯関係を結ぶような感覚だ。

中盤では、2021年の結成からここに至る道は順風満帆でなかったことも語られた。数年間はオニザワとふじおとで、バンドをやめようかと号泣した日もあったといい、こうしてワンマンができるとは思っていなかったし、そういう状況でなかったと語った。「生きててよかったと思う。みんなが友達になってくれてよかった」とオニザワは語った。

そこから「うさぎちゃん」へと続き、ノイジーでいて歌心のある「空車」や、新曲であるバンド・アンサンブルの妙味が冴える「月まで歩いてみたけれど」が演奏された。

後半は、メンバー同士今回のツアーの土産話をしたり、たっぷりとMCもする。たくさんの曲ができたり、話もできたりというワンマンライブならではのタイム感に、「新鮮!」と笑うオニザワ。そしてオニザワは改めて、日々のちょっとした出来事や誰かの何気ない言葉から感じる、その小さな一個の愛を繋いで生きているタイプだと語り、ステージからフロアを見渡して、愛を感じているという。そのフロアにどデカいありがとうを贈り、また思いを同じくする人に「私がいますよ」とあたたかく力強い言葉を投げた。

かき鳴らされるギターで歌いはじめるミドルナンバー「フランス料理」では、その歌を聴き入る観客が、徐々に音の洪水と化していく爆発的なアンサンブルやオニザワの叫びを受け取るように手を伸ばす。そんなエモーショナルな瞬間から一気に馬力を上げて、観客が待ってましたとばかりに歌声を大きくする「可愛いユナちゃん」で、パワフルな演奏をもかき消していくような大合唱を巻き起こして、灼熱のステージを締めくくった。
アンコールでは、超☆社会的サンダルのFCができたこと、そして8月9日(土)に新代田FEVERでツーマンライブ『夏だ!サンダル履いて海へ行こう!』を開催することを発表した。対バンは、the band apart。大先輩のライブ猛者を迎えてのライブであり、またひとつ超☆社会的サンダルがバンドとしてステップアップしていくライブにもなりそうだ。
このワンマンの成功と、更なる飛躍にフロアが歓喜に湧くなか、「薬を飲んでも」と、再びの「可愛いユナちゃん」大合唱で、春と共に走り出した『あゝ、私もいつかはCity girl』tourを完走した。
<開催情報>
超☆社会的サンダル『あゝ、私もいつかはCity girl』tour
5月6日 東京・新宿LOFT
セットリスト
1.City girl
2.17
3.魚を追いかけて
4.チチンプイプイプイ
5.熱中症
6.ほんとの明日
7.うさぎちゃん
8.空車
9.月まで歩いてみたけれど(新曲)
10.乙女の祈り
11.バカマ●コあかり
12.フランス料理
13.可愛いユナちゃん
EN1.薬を飲んでも
EN2.可愛いユナちゃん
<ライブ情報>
『夏だ!サンダル履いて海へ行こう!』
2025年8月9日(土) 東京・新代田 FEVER
開場 18:00 / 開演 18:30
出演:超☆社会的サンダル / the band apart
【チケット情報】
一般3,800円、学割(高校生以下対象)3,000円
※整理番号付、ドリンク代別
・FC先行受付 (抽選)
5月25日(日) 23:59まで
・オフシャル先行 (抽選)
6月2日(月) 18:00~6月15日(日) 23:59
https://w.pia.jp/t/super-social-sandal/
超☆社会的サンダル 公式サイト
https://sandr-public.com/