ボートレース宮島(広島県廿日市市)

PGⅠ「第12回ヤングダービー」

9月23日(火)~28日(日)開催





 ボートレース界の次代の主役である30歳未満のレーサーによる一大祭典、ボートレース宮島(広島県廿日市市)のプレミアムGⅠ「第12回ヤングダービー」が23日に開幕する。28日に優勝戦を争う6日間開催。今しか手にできない世代ナンバーワンの栄誉を懸けて、男女52人が火花を散らす。
これがGⅠ初出場の選手も7人いる中、唯一のSG覇者として臨むのが定松勇樹(24)=佐賀・125期・A1=だ。昨年のオールスターで21世紀生まれ初のSG覇者になった超新星。師匠の峰竜太(40)=佐賀・95期・A1=は手にできなかった称号獲得へ、今大会への意気込みを聞いた。



■過去2回は「空回り」





 ――3年連続3回目のヤングダービー。

 「取れるものは全部取りたいので、取りたいタイトルの一つ。優勝していないので頑張りたいですね」

 ――2年前は予選落ち。昨年は準優に進みましたが3着と優出にはあと一歩でした。

 「これまでは2回とも、気合を入れ過ぎて空回りしていました。ターンにしても戦略にしても、それが全部悪い方向に出てしまった。でもだいぶ経験も積んできたし、今回は平常心で臨めるかなと思っています」

 ――今年の舞台は宮島。

 「これまでの出走回数は少ないレース場なんですけど、調整が合うイメージがあるので、印象はいいです。今年4月のGⅠ(周年記念)でも準優に1号艇で乗れましたしね。ただ、それでいて優出はできなかったんですけど…(苦笑)。
今回のヤングダービーも、こんなペラ調整でいきたいなというのが頭にあるので、いいエンジンを引けて、その調整がハマれば、優勝のチャンスがあると思っています」



 ――水面そのものの印象はどうですか。

 「風が不規則というイメージがあるのでスタートに気を使う必要はあるけど、気になるのはそれぐらい。干満差も大丈夫です」

■今年序盤は順調



 ――今年全体の自己評価は?

 「序盤は悪くなかったと思うんですよ。2月の九州地区選(大村)は予選トップだったし、3月のからつ周年でも優出できました。でも結局、地区選は準優2着で優勝できなかった(優勝戦は転覆)し、からつも優勝まではできませんでした(5着)」



 ――好調の波に乗れそうで乗れていない。

 「しかもそれから、立て続けにフライングを切ってしまって…(3月、5月)。フライングを持ったら駄目ですね。全てが勝負しづらくなるのできついです」

 ――それでもレースは続く。

 「頭を切り替えないと、勝てるものも勝てなくなってしまう。スタートに関しては今は我慢の時。ターンで勝負するといったように、スタート以外で頑張ればいいんだと切り替えています」

■応援の声に意欲新た「もっと頑張りたい」



 ――そのフライングの罰則による休み期間には、レース場でのイベントへの出演もありました。

 「フライングを切って調子が悪いこんな今の自分なんですけど、それでも応援してくれる方がいることを改めて感じました。自分の中では大きな存在で、本当に感謝でしかないです。
イベントに出てそうやって声をかけてもらえるのも、自分の中でもっと頑張ろうと思える瞬間の一つです」



同世代のライバル前田滉(右)と歩く定松勇樹



 ――そして迎える若手の祭典。今大会唯一のSG覇者として〝格上〟としての戦いを周囲は求めるかもしれません。

 「レースを見ていても、自分よりうまいなと思う選手は多いし、自分としては格上という意識は全くないですね。そこもやっぱり、いつも通りの平常心と挑戦者の気持ちのままで戦いたい。一走一走最善を尽くせば、おのずと結果はついてくると思うので、ミスをしないように走りたいです」

 ――意気込みを。

 「フライングの足かせだとか何だとか、もう言っていられない。スタートで攻めてくる人はいるとは思うけど、それは仕方がないと割り切ります。スタートもターンもアグレッシブなレース形態の大会ですけど、その中で今回の自分は冷静に、落ち着いて、優勝を取りたいですね」







◆定松勇樹(さだまつ・ゆうき)

 2001年5月2日生まれ。福岡県福岡市出身。博多工高中退。登録番号5121。19年11月デビューの125期。
22年9月、下関ルーキーシリーズで初V。SGは23年5月の芦屋オールスターで初出場し、3度目のSG出場だった昨年5月の多摩川オールスターで初V。GⅠは4優出でVはまだない。一般戦も含めた全成績は44優出11V。168センチ、55キロ、A型。
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