映画『マッチング』で狂気のストーカー役を演じ、新たな魅力を開花させたSnow Manの佐久間大介。アニメオタクとして知られ、声優としても評価の高い佐久間に、芽生え始めた俳優業への強い思いについて話を聞いた。
ストーカー役でラッキー!
──実写映画単独初出演となる映画『マッチング』ですが、依頼があったときのことを教えてください。
佐久間大介(以下、同) 自分に映画出演の依頼が来るとは想像もしていなかったので驚きました。でも表現をすることが大好きだし、演技にもすごく興味があったのでうれしかったです。マネージャーに「どんな役?」と聞いたら「ストーカー」と言われ、めっちゃおもしろそうだとテンションが上がりました(笑)。
──ストーカー役がうれしかったんですね。
ちょっと変わった役を演じてみたかったので「やった! ラッキー」という気持ちでした。正直、胸キュン映画だったら照れちゃうと思うので、永山吐夢という役をいただけてよかったです。
──吐夢はマッチングアプリで輪花(土屋太鳳)と出会い、彼女に執拗にメッセージを送り続け、ストーカーと化していきます。役をどう解釈しましたか?
愛に飢えている男という印象です。だからこそ相手を求める気持ちがすごく深いんですね。他人にはなかなか理解してもらえないタイプですが、演じる側としては愛してあげたいキャラクターでした。
──共感するところはありますか?
吐夢の気持ちはわかりますよ。やっぱり好きな人には会いたいじゃないですか。
──すごく―途ですね。
恋愛だけでなく、家族や仲間への情も強いほうだと思います。Snow Manのメンバーにも、何かしてあげたいという気持ちがいつもあります。たとえばラウールはお菓子好きなんで、差し入れでお菓子をいただいたら「ラウールにあげよう」とすぐ思いますから。
──メンバーと仲がいいですね。
家族ともめちゃくちゃ仲がいいですよ。会話は尽きないし、よく家族で食事にも行くし、いつもわちゃわちゃしているんです。お互いへの思いやりもあります。僕も将来、そういう楽しい家族を築きたいと思っています。
目つきの悪い表情が高評価
──吐夢は物静かで暗いタイプですが、見た目は金髪で目立ちますよね。あのヴィジュアルはどうやって作り上げていったのでしょう?
最初は黒や茶色など落ち着いた髪色の予定だったのですが、衣装合わせをしたら内田英治監督が「金髪にしよう」と言い出したんです。
他のスタッフさんは「金髪だと怪しすぎませんか?」と言ったのですが「いいんだよ、吐夢は変なヤツなんだから」という監督のひと言で金髪に決定。「変なヤツ」という強烈な印象を残せたので、僕も金髪にして正解だと思いました。
──怪しげな表情をずっと維持していましたね。
最初に監督とお会いしたとき、映画のセリフを読んでいたら「いい意味で目つき悪いね」と言われたんです。目の演技まで見てくれていたことがうれしかったです。
──Snow Manの仕事と並行して撮影していたんですよね。金髪にしたりピンクにしたり、髪の色を何度も変えるのは大変だったのでは?
映画の撮影をしながらライブ、広告の撮影、イベントなどもあったので、2週間で4回くらい役柄の金髪とアイドル時のピンク髪を行ったり来たりしていました。あまりに変えすぎてマネージャーに驚かれました。さすがに切れ毛がすごくて、監督に「髪切った?」と言われたくらいです(笑)。
──演じていて印象深いシーンはありますか?
斉藤由貴さんとのシーンですね。
自分と吐夢の境界線がなくなるような感覚、自然に吐夢になれたと感じることができたので、すごく印象に残っています。
いつか演技で賞を狙いたい
──完成した映画を見た感想は?
本当におもしろい映画でした! 僕は自分が出演した作品は照れずに見ようと心がけているんです。自分の表現をちゃんと噛みしめて、どこがよかったか、もうちょっとできたんじゃないかなど、客観的に見て学びたい。出演作を見ることは勉強できるいい機会なので。それにしても吐夢は本当に変なヤツでした(笑)。
──メンバーにも見てほしいですね。
すごく楽しみにしてくれているんですよ。Snow Manはメンバーに新しい仕事が決まると、マネージャーがみんなの前で発表するんです。『マッチング』も「佐久間の映画出演が決まりました」と発表したとき「マジで!」「すごいじゃん」と言ってくれましたね。
ただ「どんな役?」と聞かれて「ストーカー」と言ったら「ピッタリじゃん」って。おいおい俺のどこを見てそう言ってるんだ?と(笑)。
──この映画の出演を機に、演じたい欲が出てきたのでは?
すごく出てきました。もっといろいろな役に挑戦したいし、いずれ演技関連で賞をいただきたい。やっぱりメンバーの目黒蓮が、俳優として力を発揮して認められているので、すごく刺激になっています。
内田監督が「佐久間くんはこの映画をきっかけに芝居の仕事がすごく増えると思うよ」とおっしゃってくださって。本当に何度もそう言われたので、頑張りたいと思います。
──目黒さんの活躍が刺激になっている話も含めて、メンバー同士が切磋琢磨している感じがいいですね。
Snow Manはバラエティのイメージがあると思うんですけど、デビューしてからメンバーそれぞれが新たな面を次々に見せることができるようになったし、求めてもらえるようになったのが、すごくうれしいです。
メンバーに新しい仕事が決まると「いいなあ」という気持ちより「やった」という喜びのほうが大きいんです。それは、僕自身が自分の強みや求められることがわかってきたからだし、何よりメンバーの魅力を誰よりも知ってるからこそ素直に喜べるんだと思います。
──Snow Manはそれぞれが夢を叶えているイメージがあります。夢を叶えるために必要なことはなんだと思いますか?
言葉にすることです。うちのメンバーはそういう人が多いですね。無理かもしれないことでも言葉にすることが大切。誰が聞いているかわからないし、その言葉を拾ってくれて「そういえばやりたいって言っていたな」とチャンスに結びつくことはあると思うので。
やりたいことをみんなに知ってもらうことが、夢を叶えるきっかけになると思います。
取材・文/斎藤香
佐久間大介 さくま・だいすけ
1992年7月5日生まれ。東京出身。2012年からSnow Manのメンバーとして活動スタート。グループ結成8年目で『D.D./Imitation Rain』でCDデビュー。個人としても映画、バラエティなどで活躍。主な出演作は映画『少年たち』(2019)『映画 おそ松さん』(2022)など。また声優としてテレビアニメ『カードファイト!!ヴァンガードwill +Dress』(2022/テレビ東京)、映画『白蛇:縁起』(2021)に出演、好評を得ている。
映画『マッチング』(2024)上映時間:1時間50分/日本
ウエディングプランナーの輪花(土屋太鳳)は、同僚の勧めでマッチングアプリに登録したことをきっかけに永山吐夢(佐久間大介)と出会う。しかし、プロフィールとは全く違う本人に戸惑う輪花。彼女とは反対に吐夢は彼女を気に入り、執拗に追いかけてくるように……。同じ頃、マッチングアプリで知り合ったカップルが殺される連続殺人事件が起こる……。
2月23日(金)より全国ロードショー
配給:KADOKAWA
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/matching/
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