〈ホストが超迷惑行為で大炎上〉焼肉店で空ジョッキにジョボジョボ放尿して「おしっこビール」に運営会社は「厳正に対処」。“スシローペロペロ少年”は6700万円の損害賠償を請求されたが今回は?
〈ホストが超迷惑行為で大炎上〉焼肉店で空ジョッキにジョボジョボ放尿して「おしっこビール」に運営会社は「厳正に対処」。“スシローペロペロ少年”は6700万円の損害賠償を請求されたが今回は?

焼肉屋でバカ騒ぎするホストたちがビールジョッキに放尿――。そんな衝撃的な動画がSNSで拡散されて大炎上している。

ホストらが所属するグループ会社の代表取締役や店舗社長はX上で謝罪コメントを投稿したが……。迷惑行為のその後を追った。

放尿ホストが在籍する店舗に電話をしてみると…

「スシローペロペロがかわいく見える……」

そんなコメントとともに多くのネットユーザーが顔をしかめた問題の動画は、ゴールデンウィーク真っ只中の5月2日、某有名インフルエンサーのXにポストされた。

焼肉店の店内でホストが「おしっこ回し飲み、いくしかないっしょ~」と言いながら、ビールジョッキにジョボジョボと放尿。

なみなみと注がれると、“おしっこビール”を誇らしげにカメラの前につきだすというインパクト抜群の動画で、投稿されるやいなや、爆発的な勢いで拡散された。

この動画が撮影されたのは、ホストらが所属する店舗から徒歩2~3分ほどの距離にある「七輪焼肉 安安」新宿職安通り店。現場には“放尿ホスト”以外に撮影者や同席者もいたが、いずれも同店舗のホストだという。



当該のホストだけでなく、グループの代表取締役はXにて「飲食店様には現在、謝罪と弁償をさせていただきたい旨を伝え、折り返し待ちとなっております。二度とこのような事がないように社内の教育を見直し徹底していきます」と謝罪。

5月6日、放尿したホストが在籍する店舗に電話をしてみると応対した店長は「迷惑行為の動画に映っているのは当店の従業員で間違いない」と事実を認めた。

「動画は当店の従業員が4月30日に撮ったもので、先日、当店の代表が『安安』を運営する富士達さんに連絡し、謝罪をしました。後日、富士達さんからご連絡がくることになっていると聞いています。現在、先方と話をしている最中なので、詳しいことは申し上げられません」(店長)

ホスト同士のLINEグループでは下品な動画は日常茶飯事

動画を撮った従業員らの処罰については「お答えできない」とのことで、どのような教育の見直しを行なうかを聞いても「申し訳ございません」とだけ述べるにとどめた。

一方、被害を受けた富士達は本件の問い合わせに対し、「現在、新宿職安通り店は営業を再開しており、本件については警察とも相談をしているところですので詳しいことはお話しできない」との回答だった。

この迷惑動画を見たホス狂の女性(23)は言う。

「騒動を起こしたホストグループは超大手の正統派イケメン集団。店舗は歌舞伎町だけでなく大阪や名古屋や福岡、北海道まで展開しています。
 

シャンパンコールのときに裸にさせられたホストの話はたまに聞くけど、まさか小学生以下ともいえる頭の悪い動画を撮っちゃうなんて……。

同グループは『職業、イケメン。』というキャッチフレーズが有名ですが、ネットでは『職業、放尿』なんていじられてダサすぎです。

もともと行ったことないけど、今後、この系列の店に行くことはなくなりましたね」

ホスト歴20年以上の40代後半のベテランホストも「自分が商品として光り輝かなくてはいけないのに、この上ない下劣な行動。ホスト以前に人として最低だ」と嘆く。

しかし、他店の現役ホストによれば、業務連絡用につくられた従業員同士のLINEグループでは、今回のような動画が出回ることは珍しいことではないという。

「僕のグループLINEではホストの陰毛を剃る動画や、ホストクラブの営業中にトイレが空かず、我慢しきれず空のペットボトルに排尿する動画が共有されたこともあります。今回もそんなノリでやってしまったんでしょうか……」(現役ホスト)

法的制裁は? 弁護士に聞いた

気になるのは同グループへの法的制裁だ。飲食業界の法律問題に詳しい法律事務所フードロイヤーズの石﨑冬貴弁護士は言う。

「昨年1月、回転寿司チェーン『スシロー』のテーブルにあった醤油さしを少年がペロペロと舐め、その動画が拡散してしまった事件に対し、運営会社『あきんどスシロー』は少年に対し約6700万円の損害賠償を求めて2023年3月に大阪地裁に訴訟を起こしました。

ですが、『(少年側が)責任を認め、当社として納得できる相応の内容で和解した』として同年8月に訴えが取り下げられ、和解が成立しました。今回の件は実行した者の異常性が明らかに高く、スシローのときのように模倣犯の恐れは少ない。とはいえ、富士達さんも厳しい対応をする可能性は十分にあると思います」

全国に160店舗を構える「安安」のこだわりは「安全で安心、さらに安く」という、この物価高の時代に救世主のような焼肉チェーンだ。この騒動の影響はあるのだろうか。

5月8日19時ごろ。

被害にあった「七輪焼肉 安安」新宿職安通り店に訪れてみると、夕食時ということもあって店内のテーブル席は7~8割の席が埋まり、いつもどおり繁盛していた。

フロアでせわしなく働く3人の外国人店員のうちのひとりに「大変でしたか?」と聞くと「ソウダヨ、何日か、店舗は休みになったヨ」と答えた。また、動画が撮影されたと思われる座敷スペースについて聞くと、「あっちに今はお客さんを入れてない」ということだった。

動画投稿から5日後の5月7日、「安安」は公式サイトにて、「迷惑行為の判明後、直ちに同店を営業停止とし、全てのジョッキを新品に入れ替え、店内及び設備の除菌清掃、食器類の消毒を致しました」としたうえで、「警察と相談させていただきながら、お客様を不安にさせる行為には厳正に対処してまいります」という声明を発表している。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班