〈オタク同士のバトルも再び…〉年パス復活なら東京ディズニーが“地獄”に逆戻りか…新社長の検討発言にSNSで賛否真っ二つ「治安が悪くなる」「20万円でも買う」
〈オタク同士のバトルも再び…〉年パス復活なら東京ディズニーが“地獄”に逆戻りか…新社長の検討発言にSNSで賛否真っ二つ「治安が悪くなる」「20万円でも買う」

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの高橋渉社長が6月6日、記者団の取材に応じ、パークチケット価格の見直しを「考えている」と明言した。「年間パスポート(年パス)」の復活にも含みを持たせたところ、ネット上では賛否両論が巻き起こっている。

年パス復活なら“ガチ勢”御用達のパークに?

今年4月に代表取締役社長に就任した高橋氏は、今回が就任後初の報道陣対応。パークチケット価格について、昨今の物価高に応じて「単なる値上げではなく、季節ごとの券種を導入するなど、多様な価格設定を検討している」と述べた。

注目されたのは、2020年7月に廃止された「年パス」の復活にも言及した点だ。かつて常連客に親しまれたチケット制度だけに、関心が集まった。高橋社長は「熱心なファンにどう来てもらうかも考える」と語り、復活の可能性をにおわせた。

現在、東京ディズニーリゾートは混雑状況に応じて価格が変動する「変動価格制」を採用しており、大人1人あたり7900円~1万900円の6段階に分かれている。この制度は2021年に本格導入されたもので、混雑の緩和が狙いとされている。

東京ディズニーランドの開園は1983年。当時の1デーパスポート(大人)は3900円だった。その後、段階的に値上がりし、2001年の東京ディズニーシー開園時には5500円。2019年には消費増税の影響で7500円に達し、さらに2021年以降は変動制の導入により、現在の価格帯に至っている。

これに加えて、アトラクションの待ち時間を短縮できる有料の「ディズニー・プレミアアクセス(DPA)」は、対象アトラクションごとに1回1500円~2000円。パレードやショーにも有料エリアが導入され、近年では「ディズニーに行くと一度で2万円はかかる」とも言われる。

交通費や宿泊費がかさむ地方在住者にとっては、相当高額な“レジャー”となってきた。

こうした背景の中で、もし年パスが復活したら──。SNSを中心に、賛成・反対両派の声が沸き起こっている。まずは反対派だ。

「ディズニーでは現在、DPAなど複数のシステムを使って人気アトラクションを楽しむ形式になっており、初心者には非常に複雑です。パーク内ではみなスマホとにらめっこ状態で、“情報戦”と化しています。その結果、慣れたマニア層が得をし、初心者は不利になりがちです。

さらに、年パス利用者は食事やお土産などをあまり買わず、売上への貢献が少ない一方で、遠方から来る初心者や一見さんは、しっかりお金を落としてくれる“いい客”。そうした層を大事にすべきとも思います。

また、年パスを発行していた時代にはマナーをめぐるトラブルも多く、SNSでの“オタク同士のバトル”が絶えませんでした。廃止後はパークの雰囲気が改善され、『治安がよくなった』という声も多い。今や平日でも混雑している中、特定の客層を優遇するような年パスは必要ないと思います」

年パス勢はむしろマナーがいい? 反論の声も

実際にSNS上では以下のような声も多く、“現状維持”を望む人がたくさんいることがわかる。

〈ぶっちゃけた話ディズニーの年パスは復活してほしくないな 厄介なオタクが増えるだけだからやめてほしい〉

〈年パス復活マジ? パレードの時間にだけ場所取り年パス勢がおしよせて激混みになるの地獄でしかないんだが〉

〈年パスが無い今のディズニーであの治安なのに年パス復活したらどーなっちゃうの〉

一方で、年パスの復活を望む声も根強く、年パス勢としての主張もあるという。

「ディズニーは“いつでも混んでる”と思われがちですが、実際は日によって空いていることもあります。だからこそ、たとえば平日限定の年パスのような形で復活するのはアリだと思います。

また、以前の年パスは9.9万円なので、年パス勢は、年に10回分もディズニーに行って貢献している客ともいえます。そのため、年パス勢が“売り上げに貢献していない”とは言い切れません。

さらに、年パス勢は“元を取りたい”という意識が少なく、ゆとりを持って行動する人が多いため、パークの雰囲気を悪くしている印象はありません」

また、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)では現在も年間パスが販売されており、「ユニバーサル・プライム年間パス・グランロイヤル」(無制限)は大人48,800円、「ユニバーサル・プライム年間パス・スタンダード」(除外日あり)は21,000円。

これと比較しても、ディズニーランドが年パスを再導入する余地はあるという声もある。

年パスが復活した場合、価格は20万円を超えるのではないかともウワサされている。それでも「高くても買う」「むしろ待ってました」といった熱望の声が絶えないのも事実だ。賛否はあれど、“ディズニーに通い続けたい”という熱い思いが、年パスをめぐる議論を後押ししている。

取材・文/集英社オンライン編集部

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