1990年代の音楽シーンを牽引した小室哲哉。TRF、安室奈美恵、globe、篠原涼子ら多くの「小室ファミリー」を生みだしたことでも知られる。

90年代中頃はヒット曲を連発し、全盛期の年収は20億円ともいわれているが、98年頃からはブームも終焉。その後は度重なる事業失敗と自身の散財によって、金銭的に困窮してしまったらしい。そして2008年、経済的に追い詰められたことにより、ある事件を引き起こしてしまったのだ。

詐欺容疑で逮捕された小室哲哉


借金返済に苦しんでいた小室は自作した曲の著作権を"売却"することを思いつく。小室は関西在住の個人投資家の男性に、全著作権を10億円で買わないかと持ちかけたという。交渉はいったん成立し、手付け金として後日、小室には5億円が支払われた。

しかし、実はすべての著作権が小室にあるわけではなかった。
著作権の一部は、レコード会社などにあり、小室が持っていなかったのである。
そのため、男性との間で揉めたのだが、2008年7月に小室が慰謝料を含む解決金6億円を支払うことなどを条件に、男性との間に一旦は和解成立。しかし、期限までに支払われずに投資家の男性が刑事告訴したことで、小室は2008年11月4日に詐欺容疑で逮捕したのだ。

執行猶予5年の判決を受けた小室哲哉


逮捕されてしまった小室は容疑を全面的に認めた。2009年に出た判決は、執行猶予5年というものであった。
そして後に、小室は当時を振り返り、「自分はウソをついているんだな、と正直に思いました」「裁判長から『有罪』という言葉を聞いた瞬間の重さというのは、何よりも重い」などと、反省の弁を口にするのだった。

 
気持ちを改めた小室は2010年から音楽活動を再開。その後、妻のKEIKOがくも膜下出血に倒れたため、リハビリをサポートする傍ら、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションや、音楽イベントでのDJなど、精力的に活動を展開している。
(せんじゅかける)

※イメージ画像はamazonよりTM NETWORK 30TH ANNIVERSARRY SPECIAL ISSUE 小室哲哉ぴあ TK編 (ぴあMOOK)