NHKの看板番組「朝ドラ」。その朝ドラを舞台としたドラマが、3月28、29日の2夜連続で、「マルチチャンネル」で放送されるという。

出演は、ドラマ初主演となるAKB48の秋元才加さんはじめ、桐山漣さん、六角精児さん、国生さゆりさんなど。

タイトルはズバリ、『朝ドラ殺人事件』!
……って、爽やかで明るく元気な(はずの)「朝ドラ」で「殺人事件」なんて良いの!?

しかも、このドラマ、同じ時刻にひとつのチャンネルで複数の番組が見られる「マルチ編成」だそう。メインチャンネルでは本編のドラマを放送し、サブチャンネルではヒロインの脳内で“もうひとつの「朝ドラ殺人事件」”を放送。視聴者がザッピングしながら楽しめるという、看板番組を使った大胆な遊びだ。

2月18日の早朝8時に収録見学が行われると耳にし、実際に行ってみると、収録場所は「NHK放送センター西口玄関」。本当のNHK玄関を使ってのドラマ収録ということ自体が不思議だし、玄関を出入りする人も絶えずいるだけに、どこまで出演者なのか、スタッフなのか、はたまた一般人なのかわからない、ややこしい光景だ。

でも、よく見てみると「打ち合わせをしつつ通行する人」「挨拶する人」なども、みんなさりげなく地味に“演技”しているから、ますます不思議である。

いったいどんなドラマなのかますますわからなくなってきたが、内容をご紹介すると……。
「朝ドラのアシスタントプロデューサー・新見美穂(秋元才加)は、ある日スタジオで鎮座ましましている巨大なダルマを発見。これではドラマ収録ができない……と、美穂は上司のチーフプロデューサー(国生さゆり)から、この物体の駆除をおおせつかったが、手渡されたのは『幽霊対策マニュアル』だった」

舞台はホンモノの朝ドラスタジオのほか、NHK放送センター内をたっぷり使用。
見どころについて、出演者のお二人は言う。
「サブチャンネルがあって、ミュージカルやダンスもあって、新しい試みがたくさんあるドラマで、正直、NHKっぽくない」(秋元さん)
「妖精のストーリーテラー(クリス・ペプラーさん)が出てきて、セリフをワーッと喋って歌って踊るんですよ」(国生さん)

脚本は、舞台で活躍中の脚本家・演出家の保木本真也さんが手掛けた初ドラマ作品。
改めて「朝ドラ」で殺人事件って、どういうこと?
「それは観ていただいてからのお楽しみ。観ていただければわかっていただける内容になっています。1つだけ言えるのは、『殺人事件』にGOを出していただいたのはNHKプロデューサーさんだということです(笑)」

メインチャンネルだけ観ても、サブチャンネルだけ観ても、あるいは双方を行き来しつつ観てもわかる&飽きずに楽しめる「新しいオモチャ」として登場する「朝ドラ」の世界。
まずはのぞいてみて、自分なりの遊び方を探してみますか。
(田幸和歌子)