暑い。まだしばらくは続きそうなこの暑さ、何とかならないものか。
誰しもそう思うのか、都会では近頃、随所に暑さを和らげる工夫が見られるように。ミストシャワー、水のしみこむアスファルト、緑の壁……これらに共通するキーワードは「水」だ。

どうして水を使うと涼しくなるのか……当たり前のこと過ぎてあらためて問われると「?」となってしまうが、水やアルコールは蒸発する時に物を冷やすパワーを持っている。ちょっと前に「お湯と水を同時に冷凍室に入れたら、お湯が先に凍った」なんて実験が話題になった。真偽のほどは定かでないけれど、お湯の方が蒸発が速いから速く冷える、という理屈も成り立つわけだ。

さて、水が物を冷やすパワーはどれほどなのか。
夏休みの自由研究! ではないが、実験してみよう。準備するのはペットボトル3本、白いタオル2本、ボトルホルダー、棒温度計、物干し台。まずはペットボトル3本に水を入れて冷蔵庫に入れる。冷えたところで取り出し、1本目に乾いたタオルを、2本目に濡れたタオルを巻く。3本目はボトルホルダーに入れる。3本同時に物干し台(日当たり良好)に吊るして実験開始。
それぞれ、水温がどのくらい上がるか測ってみる。

午前11時に実験開始。既に気温は32.9℃。その後もどんどん上昇、午後2時半には37.7℃を記録。たまらん。結果はグラフのとおりで、実験のためにわざわざ買ってきたボトルホルダーが1番高温、水温37℃になった。
色が青かったからだろう。乾きタオルも33.5℃まで上昇。一方、濡れタオルは28℃までしか上がらない。気温より10℃も低かったわけだ。

湿度の高い日本では理論上これ以上は冷えないが、中東のような湿度の低い国では気温45℃でも水温23℃なんてことが可能。実際にそうやって水を冷やしているという。
日本でも28℃くらいまでなら冷やせるので、クーラーバッグのない時、タオルを濡らして包んでおけば、ひなたでもチョコレートが溶けるのくらいは防げる。

最後に、実験してみて思ったこと。理論上は水を活用すれば、エアコンなしの28℃の住まいが実現できるはずで……いつかはそんなエコハウスができるかも。28℃はちょっと暑いけれど、風があったら快適です。
(R&S)