ゴミの分別って、地域差が非常に大きいもの。
たとえば、横浜市は、平成17年度からごみの分別を10分別に増やしていて、人口変動が多いことから「横浜市ごみ分別アプリ」などというものも作っているほど。
一方で、2008年4月から東京23区では、プラスチックなども「燃やせるゴミ」になっていて、地方在住の人には驚かれることもある。

なぜこんなに地域差があるの?
内閣府「国政モニター」~「お答えします」では、環境省が次のように回答している。
「ごみの分別等の基準については、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』第6条において、市町村が『分別して収集するものとした一般廃棄物の種類及び分別の区分』等を定めた一般廃棄物処理計画を定めることとされています。各市町村は、その地域の実情に応じて適切な一般廃棄物処理計画を定める必要があり、循環型社会の形成に向けた取組を着実に進めていくことが求められています」

結局、それぞれ「地域の実情に応じて」ということらしいけど、なぜそんなに差が?
やっぱり人口の多い首都圏ではゴミが多いから、埋め立て場が不足するということ? それとも、焼却技術が上がっているということ?
23区内の清掃工場の担当者に聞いた。

「ご想像通り、埋め立て処分場の不足は一つの理由としてあります。また、焼却技術の進歩によって、プラスチックを燃やすための高温焼却ができるようになったこと、ダイオキシンの発生も抑えられるようになったこともあります。さらに、『サーマルリサイクル』といって、焼却時の熱を利用して発電などの熱源に利用できるようになったこともありますね」

東京23区のゴミの分別が少ないのは、埋め立て処理場不足と、焼却力の向上と、いずれも影響しているようだが、もう一つ大きな理由があると担当者は言う。

「あとは、どうしても人件費の問題がありますね。東京は人口が多いので、ゴミも多く、それらを細かく分別するためには、ゴミ収集車も分別ゴミの種類に合わせてたくさん出さなければいけなくなります。車をたくさん出すことになると、当然、そこに割く人の数も増えてしまうので、コストの問題もあるんですよ」
人の数もゴミの量も、施設の処理能力も違うだけに、なかなか統一することはできないようだ。

ちなみに、環境省のデータによると、日本の焼却施設数は近年減ってきているものの、廃棄物処理方法はアメリカやドイツなど、諸外国に比べ、圧倒的に焼却依存となっている。
地域の実情はそれぞれ異なるものの、リサイクルの必要性は各自で持っておきたいものだ。
(田幸和歌子)