年をとると、体にガタが来ます。いつの頃からか肩首の痛みが慢性的なものになったし、最近は寝ても疲れがとれてない気がするし。

こうとなったら、全てを放り出して湯治へ旅立ちたい! ……でも今の自分には、旅に出る“時間的余裕”も“金銭的余裕”もないんだよなぁ。


カフェに着いた途端、“人をダメにするソファ”のせいで立ち上がりたくなくなってしまう


湯河原の旅館「The Ryokan Tokyo」が2月24日よりオープンする「Gensen Cafe(ゲンセンカフェ)」は、その名も「人をダメにする温泉カフェ」なるコンセプトを自ら標榜しています。なんですか、その文言は……。
非常に気になるのですが、同カフェのプレス体験会が昨日(2月19日)に開催されています。もちろん、私もお邪魔してきました。

はい、都心から2時間弱をかけて噂のカフェに到着しました!
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

この旅館は、どの方向に向いても写真映えするようデザインされているそう。思わずインスタグラムに上げたくなるような“インスタ旅館”を意識しているとのことでした。
なにしろ、入り口にはいまだに門松が置いてあるし。もう2月だってのに……。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた


湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

こののれんの向こう側が、この度オープンする「Gensen Cafe」のスペース。中に入ってみると、“人をダメにするソファ”「Yogibo(ヨギボー)」が全席に導入されてました!
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

色んな形状にして座ることができるし、いくつか組み合わせるともう完全にダメになってしまう。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

「この体勢でビール飲んじゃったら、もうダメですね。動けません(笑)」(モデルになってくれたお姉さん)
なにしろお姉さんが飲んでいるのは、海外でも高い評価を獲得している日本の「COEDOビール」です。
また大阪箕面で生まれた、生きたビール酵母の入った「箕面ビール」も用意されていました。

それにしても「Yogibo」、記者も実際に座ってみたのですが背中からよっかかって力を抜いてしまったら、もうダメです。“人をダメにするソファ”とは、言い得て妙。そのくらい、座り心地がいいということ。今までコラボ展開の機会は少なくなかった「Yogibo」ですが、カフェ全館への導入は今回が初めてだそうですよ!!

カフェなのに、温泉に入れてしまう


さっきのお姉さん、浴衣着てたじゃないですか? 実は、カフェなのに温泉に入ってもいいんです。旅館入り口では、温泉とYogiboの利用、館内着、厳選ドリンク、バスタオル、ハンドタオルがセットになった『手ぶら de ほっこりパック』(3月末まで税込1,500円)が購入できます。これを購入すれば、カフェと言いつつ普通に温泉にまで入れてしまう。
もちろん、記者も温泉に入っちゃいました!
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉の泉質は弱食塩泉・弱アルカリ性という理想的なもので、一言でいえば「女性の肌に優しい温泉」。サラサラと肌のあたりが柔らかで、温泉でありながら石鹸の泡立ちが良く、湯冷めをしないという特徴を持っているとのこと。効能も幅広く、切り傷、打撲、外傷をはじめ、神経痛や腰痛、婦人病には大きな効能があります。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

同カフェは、この名湯の源泉から直接館内に引き込んでいるらしい。今では珍しい加水なし、循環なしのかけ流し温泉を満喫することができます。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

いやぁ、メチャメチャいいですよ! カフェへ来たのに、なぜか湯に浸かっているという不思議な展開。
はぁ、肩の力が抜けてきちゃったぞ……。

厳選素材のフード&ドリンクのせいで、ダメになってしまう


温泉に入ったならば、次はやっぱり飲んで食べてを楽しみたい。いや、カフェなので当たり前なんですが……。

この日、私は『ヘルシー野菜盛りだくさんアヒージョ』(800円)と『スペシャルなドリップコーヒー』(800円)、そして『湯河原手絞りみかんジュース』(600円)をオーダーしました。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

このアヒージョ、野菜のレパートリーは毎日異なるそう。農園が、「これはいいよ」と当日にオススメしてくれるものを入れています。ちなみに取材日は、カブがいい感じだったらしい。
食べると、野菜のフレッシュさ、素材の良さをそのままに、グッと美味しくしてくれた感じでした。

そして出てきた、カフェと言えばコーヒーでしょ!
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

同カフェでは常に3種類のコーヒーが用意されており、しかもその季節の一番いい豆が選ばれます。豆は世界中から取り寄せられていて、それらは小田原きってのスペシャリティコーヒーを扱う「アメイズコーヒー」で焙煎されます。その後、新鮮な状態でカフェへ到着する。記者は、3種のコーヒーの中で最もバランスが良いとされる「コロンビア」をいただきました!
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

他には、苦味を好む人にオススメな「インドネシア」と、酸味の「エチオピア」が用意されています。
「コロンビアは、苦味があったり酸っぱかったりするわけではなく、全ての特徴を兼ね備えつつ最もバランスが整った絶妙なコーヒーです」(スタッフさん)

そして、個人的に最も驚いたのはこのみかんジュースですね。

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

これ、“みかんジュース”というよりも完全に“みかん”です。みかんをそのまま食べてる感じ。明らかにみかんジュースの味じゃないんだもの。みかんそのまんま! もはや“噛まないみかん”ですよ、感動しました。

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

他にも、素材にこだわりまくったメニューがカフェには用意されています。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

『ジャパニーズマカロン』(550円)は、最中が「加賀種食品」(石川県)のもので、あんこが「木下製餡」(東京都)のもの。豆乳ホイップは「不二製油」(大阪府)、みかんジャムは地元・湯河原の「やまげん」によるものを使用しています。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

『ソーセージ盛り合わせ』(1,300円)は、シンプルなドイツウィンナー、チョリソー、牛肉ベースのクラカウアー、大人も子どもも大好きなポテトの入っているかまぼこ型ウィンナーの盛り合わせです。

なぜ、「人をダメにする温泉カフェ」をオープンしたのか?


温泉に入り、Yogiboに座りながらビールを飲み、厳選素材のフードをいただいちゃったら、完膚なきまでにダメになる。立ち上がれません……。いや、たまの休日くらいはダメになったほうがいいような気もするんですが。なにしろ我々、忙しい日常を送ってますから。

さて、このように我々をダメにさせるカフェをオープンした経緯を「The Ryokan Tokyo」代表取締役CEOの千葉功太郎さんに伺いました。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた


千葉さん 去年の2016年3月1日に、「THE RYOKAN TOKYO」というインバウンド外国人旅行者向けの旅館をオープンしました。当初、現在のカフェスペースはダイニングだったのですが、その頃はお客さまが夜までいらっしゃらなかったんです。「なんとかならないかな」という経営上の視点が、まずあります。もう一つは、湯河原はお湯が非常にいいですし、この辺には色んな食材もある。もっとこれをたくさんの人に体験してもらいたいと思いました。中でも、首都圏の女性に癒やしに来てもらいたいと考えています。
――それは、日帰りのお客さんでも受け入れるということですよね?
千葉さん はい。中でも、ターゲットは首都圏で働く女性。20~40代でバリバリ働いている方です。例えばプレミアムフライデーで金曜の3時に仕事が終わって5時にここに到着しても、実は湯河原は終電が午後10時半。5時~10時までの5時間の中でお風呂へ2回入り、食べて飲んで……。旅行気分を十分に満喫していただけます。
――私も東海道本線でここまで来たんですが、大して時間もかからないのに都心とは雰囲気がガラッと変わっていました。
千葉さん 旅情感がすごいじゃないですか? 旅に来た感があるのに、物理的にはそんなに時間がかかっていない。仕事を終えて3時に出発し、終電で家に帰宅しても、まるで一日旅行に行ったような気分が味わえてしまいます。さらに、そこから土日が始まりますし。
――ああ、そうか!
千葉さん あと当日、部屋に空きがあればご紹介させていただきます。和室もありますが、ドミトリーでしたら3,000~5000円で済みますから。

ちなみに、ドミトリーはこんな感じです。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

1室に14のベッドあり、かなり上質なマットレスが使用されています。サイズはゼミダブル。ぶっちゃけ、記者が普段使ってるベッドより寝心地は全然良かったです……。
「本当にいいやつです! 高いものを使っていまして(笑)。幅も広いし、フワフワです」(千葉CEO)
頭の上にはコンセントが3口あるので、充電しながらパソコンもできます。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

「貸し切りという形で、開発合宿に利用されるお客さまもいらっしゃいます。Wi-Fiはフリーで強力に設定していますので、プログラマーさんからも好評です」(スタッフさん)

一方、スタンダードな和室はこちら。
湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

さすが、湯河原。雰囲気出まくりですね……。Yogiboに座ってお酒を飲み、もしも終電を逃してしまった場合は、それはそれで宿泊もアリかもしれません。
「お客さまにとって『金曜の夜から、湯河原へ泊まりに行こうよ』というのは、やっぱりハードルが高いんですね。初めから泊まりのつもりになると、何ヶ月も前から友だちと企画して色々と気を使うじゃないですか? でも、カフェに来て結果的に泊まりになるというのは、同じことなんですが気持ちの中で全然違います。パッと夕方にカフェへ来て10時まで飲んで帰るという前提があり、面倒くさくなったら泊まってしまうという気軽さですよね」(千葉CEO)

湯河原温泉にオープンする「人をダメにする温泉カフェ」へ、日帰りで行ってきた

――この「Gensen Cafe」の一番の売りは何だとお考えですか?
千葉さん 温泉や厳選素材のフードなどをギュッと凝縮してセットになっているというのが売りですね。温泉に入って“ふわ~”とした後にクラフトビールを飲み、熱々のアヒージョを食べ、この瞬間が幸せだという。
――なるほど。カフェで旅行体験を凝縮したこのパッケージが売りということですね。
千葉さん 働く女性は“時間”が命なので、限られた時間で濃密に休みたいじゃないですか? かと言って、重たい計画は面倒。急に仕事も入ってしまうかもしれないですし。気軽で、しっかり休養をとれるということが重要ですね。

「人をダメにする温泉カフェ」とキャッチフレーズが強烈すぎますが、時には時間を作ってダメになるくらいの方がいいかもしれない。僅かな時間でフラッと来れて、僅かな時間で日常に戻れるという距離感も魅力です。
(寺西ジャジューカ)