新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

カップ麺に漬物を入れると美味しい説


先日、長野県に行くことがあり、お土産に名産品の「野沢菜漬け」を購入して帰った。

野沢菜は、長野県の北東部「野沢温泉村」で栽培されていたことからその名がついた野菜で、主に葉と葉柄(茎)を漬物にして食べられている。シャキシャキした食感がたまらない。


「なんて美味しいんだ野沢菜!」と感動しつつ大事に食べていたのだが、ある時ふとカップラーメンに入れてみたところ、これが最高だった。お湯をかけてもシャキシャキ食感はしっかり残り、凝縮された旨みがカップラーメンのスープに溶け出して、全体の味わいにも奥行きが出たような気がする。普段から食べ慣れているカップラーメンが一つ高い次元の食べ物になった感があった。

大満足で食べ終わって考えたのだが、豚骨ラーメンには高菜や紅しょうがなどの漬物が当然のようにトッピングされるし、キムチとラーメンの相性も良い。「ラーメン+漬物」って、今こうやってあらためて感動するまでもなく、当然の組み合わせだよな……と、思ったのだが、いろいろなキーワードで検索してみても、私のようにカップラーメンに漬物を入れて食べているという情報を見つけるのは案外難しかった。

もしかしたら、前述の高菜やキムチのような特定のもの以外の漬物とラーメンの組み合わせはそれほど試されてないのでは?と思い、今回、検証の機会を設けさせていただくことにした。


題して「カップヌードルに入れると美味しい“漬物”食べ比べ大会」。漬物は一般的なスーパーで簡単に手に入るものを選び、インスタントラーメンの代表格である日清食品のカップヌードル(しょうゆスープ)にドサッと入れて食べていく。そうして、それぞれの相性を検証していくのだ。

結論から言うと、参加者から「今度からカップラーメン食べる時は絶対やろう!」という声が口々にささやかれる大成功の結果となった。


8種類の漬物をそれぞれカップヌードルに入れて食べてみる


検証用に買い集めた漬物は以下の8種類。
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

スマイルライフ「野沢菜漬」、東海漬物「ゆず大根」、東海漬物「白菜漬」、スマイルライフ「カレーによくあうらっきょう」、田丸屋「わさび漬」、やまう「千切りごま沢庵」、スマイルライフ「赤しば茶漬」、東海漬物「きゅうりのキューちゃん」だ。

これを日清カップヌードルに入れて食べていく。
すぐ満腹になってしまいそうなのでカップヌードルはミニサイズを使用。

調理方法は、私が「野沢菜漬け」を使ってやった食べ方を勝手に“基本”として定めた。カップヌードルのフタを開け、お湯を注ぐ前に漬物をカップに入れる。ためらうことはない。ヤケドに注意しつつ、そこにお湯を注ぐ。こうすることで、漬物を後入れするよりもスープと漬物の味わいがなじむのである。
あとは3分待って食べるだけ。漬物自体の塩分もあるのでお湯は少し多めに入れるのが良い。

そしてそれを審査メンバーでワイワイと食べていく。ラーメンとの融合度や見栄え、香りなどの項目について評価しながら総合点をつけ、順位を決定していった。
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

食べ比べを行うメンバーは、私がお世話になっている大阪のミニコミショップ「シカク」のスタッフやその仲間たち。会場はその「シカク」の2階。


参加者は5名。写真左上から右下に向かって、シカク副店長・たけしげさん、アルバイトのあぞさん、常連客のヤマコさん、ハヤトさん、そして私。
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

一種類ずつ食べていったのだが、一つできあがってフタをめくるごとに「おー」と歓声が上がる。見た目のインパクトがなかなか大きいのだ。

これは私が一押しする「野沢菜漬ヌードル」。
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

これは「らっきょうヌードル」。

新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

「赤しば漬ヌードル」はなんだか怪しげなルックス。
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証


と、まあみんなで「美味しい!」とか「うわ、これは失敗……」とか一喜一憂しながら食べ進めていった結果、文句なしに美味しかった上位3つを紹介したいと思います。
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証


1位の漬物は満場一致の高得点


第1位


東海漬物「白菜漬」(80g入り、138円)
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

総合点4.86点
みんなのコメント:
あぞ「良い意味で、香りも味も元のカップヌードルの味を邪魔しない。それでいて全体の美味しさを引き上げてくれる。見た目も具だくさん感もうれしい」
ヤマコ「もとからそういう食べ物だったかのように調和している! ラーメンの風味全体がさらに良くなった印象で箸が進む。具としての歯ごたえもよく、かさが増すので満足感もあり」
たけしげ「文句のないうまさ! すべてが完璧でスープまで美味しくなる。後から白菜漬を追加して食べても美味しかった」
はやと「カップヌードルを食べながら野菜も食べられるのがうれしい」

ほぼ満場一致でダントツの高得点だったのが「白菜漬」だった。
当然と言えば当然なのかもしれないが、漬物の中でもあっさりめの塩漬け系のものがラーメンとよく調和するようで、その中でも白菜の浅漬けのなじみ具合は完璧。カップヌードルが一瞬で「野菜たっぷりラーメン」かのような見た目に変身する。これなら夜中に食べてるところを誰かに見つかっても「体に良さそうなもの食べてるな」ぐらいに思われるかもしれない!

インスタントラーメンの具というと、どうしてもフニフニっとした食感のものが多いと思うのだが、そこに加わる白菜のシャキシャキした歯ごたえの輝きっぷりといったらない。ぜひ万人に試していただきたい。

2位はこちら。

第2位


スマイルライフ「野沢菜漬」(200g入り、156円)
総合点4.1点
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

みんなのコメント:
ヤマコ「スープに対してでしゃばり過ぎることなく『あったらうれしいひと味』を添えている印象。具としての歯ごたえ、ほのかな青臭さもうれしい」
たけしげ「あまりになじみすぎて、そもそもこういうものじゃなかったっけ?と思う」
はやと「カップヌードルに緑色の色彩が足されてグッと美味しそうになる。シャキシャキして美味しい」

カップヌードルに野沢菜。しっくりきすぎて「こんなのみんな普通にやってるんじゃないか?」と思う。もしかして私は当たり前の美味しさを当たり前に騒いでいるだけなのかもしれない……そんな不安を感じるほどの味である。その後、カップヌードル以外の味噌系、塩系など様々な味のインスタントラーメンにも入れてみたが、どれも間違いない。ちなみにスマイルライフの「野沢菜漬」は、切られていないそのままの状態で売られていたので、細かく刻んで投入した。

第3位はこちら。

第3位


東海漬物「きゅうりのキューちゃん」(100g入り、99円)
新発見か!? カップヌードルに入れると美味しい“漬け物”を検証

総合点4.0点
みんなのコメント:
はやと「カップヌードルのもともとの具材とのバランスも良い。見栄えはちょっと悪いけど味は最高」
あぞ「お湯を注いでも損なわれない歯ごたえがいい」
ヤマコ「全体の味が“キューちゃん色”に変わるがそれでも調和がとれている。骨太で体育会系の味わい」

ご飯の上に「キューちゃん」を乗せてお茶漬けにして食べる、というのはよくある食べ方だろう。だからラーメンに合わないはずはないのだ。「キューちゃん」シリーズには、細かく刻んだものもあるので、そちらを使った方がよりラーメンにうまく溶け込んでくれそうだ。

カップヌードルに合わない漬物の特徴


逆に、一同が「これは失敗」と感じたのは「わさび漬」であった。それぞれ別々に食べた方が絶対に良い。「奈良漬」などの粕漬けタイプや、「べったら漬け」などの麹漬けタイプなど、単体の味わいが強すぎるものはラーメンのスープを劇的に変えてしまうためリスクが大きそうだ。

あと、気になるのが「塩分の取り過ぎ」だと思うのだが、そこは注ぐのお湯の量や、粉末・液体スープが別袋に入ったタイプのインスタントラーメンであればスープを少し減らすなどして調整して欲しい。今回試した中では、“気持ちお湯多め”にしておけば違和感のない塩加減で食べることができた。

「漬物+カップ麺」の組み合わせ研究はまだ始まったばかりだ。もっと相性の良い漬物がまだまだあるんじゃないかという気がして胸が震えている。ぜひみなさんもいろいろ試してみて、成功例がありましたら教えてください!
(スズキナオ)