玉置浩二といえば、数々のヒット曲を残す日本でも有数のミュージシャンだ。また、歌唱力に定評があり、山下達郎や桜井和寿(Mr.Children)、ATSUSHI(EXILE)といったトップ歌手たちからも一目置かれる存在。

しかしプライベートの方では、4回の結婚をはじめ、スキャンダルがなにかと多かった。感情の起伏が激しいことで知られており、DV疑惑が報道されたこともある。

そんな玉置であるが、実は俳優として高く評価されていた。それでは、俳優・玉置浩二の軌跡をたどるとともに、代表作も見てみよう。

俳優デビューから大河ドラマ出演まで


玉置の俳優デビューは、1986年に公開された映画『プルシアンブルーの肖像』。その後も、1993年の映画『教祖誕生』、1994年のドラマ『愛と疑惑のサスペンス「夢の帰る場所」』、日豪合作で話題となった1995年のドラマ『最後の弾丸』などに出演し、高い評価を受けた。

はまり役だった初大河・『秀吉』


役者として高い評価を得た玉置は1996年、大河ドラマ『秀吉』に出演する。この『秀吉』は、歴代の大河ドラマでもベスト10に入る高視聴率を記録した人気作。
秀吉役を演じた竹中直人をはじめ、渡哲也などの豪華キャスト陣にも注目が集まっていた。
玉置はそこに混じり、大河初出演ながら室町幕府15代将軍・足利義昭役に大抜擢。ドラマ内では、足利義昭の無能さを見事に演じきり、お茶の間から好感を得ていった。

ドラマ『コーチ』では助演男優賞を辞退するも……


同じく1996年、フジテレビ系で放送された『コーチ』は、俳優・玉置浩二の地位をさらに高めた作品といえる。
このドラマでの熱演が光った玉置は、「ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞助演男優賞」に選ばれた。ところが、「自分は歌手である」との理由から、受賞を辞退。
それを示すかのように、コーチの主題歌・『田園』はドラマの相乗効果もあってか、玉置浩二の最大のヒット曲(92万枚:2015年時点)となっている。

その後も玉置は『こんな恋のはなし』、『恋は舞い降りた。』、『古畑任三郎』、『あいのうた』といったドラマや映画に出演し、唐沢寿明や松嶋菜々子などその時代を彩る役者と共演を果たしている。

ここ数年は自身の言動など、私生活の面に注目が集まっている印象を受けるが、当時の玉置浩二を知る者からすると、再び名優・玉置浩二の姿を見てみたいものだ。

(ぶざりあんがんこ)