「東映としては、この惨敗は織り込み済みですよ。彼には、『相棒』で稼いでもらっていますからね。

この映画も、彼の“ガス抜き”ができたと思えば安いものですよ」(映画関係者)

 水谷豊が29年ぶりの単独映画主演を果たした『HOME 愛しの座敷わらし』が大赤字に終わったという。

「もともとこの映画は、ホームドラマの製作が念願だった水谷さんが自ら映画化を熱望して、東映をはじめ、キャスティングに関してもいろいろなところに働きかけたそうです。もちろん、東映としては断れるはずもなく、映画の製作が決定しました」(同)

 原作の評価も高く、映画通の間では作品の評判も良かったというのだが、なぜ、興行収入に結びつかなかったのか。

「それには2つ理由があります。一つは、阿部寛さん主演の『テルマエ・ロマエ』が爆発的なヒットを飛ばしたこと。公開時期が同じだっただけに、ほとんどのお客さんはあちらに流れていきました。

2つ目は、やはり『相棒』のイメージが強すぎるということでしょう。あのクールなイメージがあるのに、家族の絆を描く作品は、どちらかというと対極的ですからね。水谷さん自身も、『あれも僕、これも僕』と認識していますけどね。映画関係者の間では、“右京”色の強い水谷さんのキャスティングは難しい、というのが統一見解ですよ。事実上、“右京しかできない”状態です」(広告代理店関係者)

 夏からは、“本業”の『相棒』シリーズの撮影が始まるという水谷。東映としては一安心?