「なんとか薬を買い続けたいので、ネット販売を行って」「睡眠薬で自殺する方がいて困りますからやめてください」。こうした意見が毎日のように舛添要一厚生労働大臣に寄せられているそうだ。
2月6日に医薬品のネット販売や通信販売に関する厚生労働省省令(通販で認めるのは第3類医薬品のみとすること)が公布されて以来、離島で薬局がなく、通信販売により第2類に該当する医薬品を購入している人たちや身体障害者で医薬品を通信販売で購入している人たちへの対応をどうするのかとの指摘や、電話応対により医薬品を提供してきた伝統薬の販売業界からは死活問題などの反発が相次いでいる。
これは、インターネットなど通信販売での医薬品販売について、厚生労働省が「安全性の確保を図る必要から医薬品販売は対面販売が原則」との方針を示し、6月から医薬品の通信販売は副作用のリスクが低く、医薬品購入者に説明義務を課していない第3類医薬品のみについて認めるとの省令を公布したためだが、舛添要一厚生労働大臣も「第3類医薬品に限定した場合に生じる弊害を解決する必要がある」との考えから、大臣指示による「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を立ち上げ、2月24日、第1回会合を開いた。会合には舛添大臣も出席。省令に賛成、反対の両派が自由闊達な議論を進めることを求めた。
検討会は井村伸正・北里大学名誉教授を座長として、19人のメンバーからなり、省令施行の6月までに数回会合がもたれる予定。事務局では第2回検討会の開催日を調整している。
第1回検討会が始まる前、舛添大臣は「国民の皆様方それぞれの立場がありますし、漢方薬の伝統的な薬ですとか、毎日のように私のところにメールとか手紙が来まして、『なんとか薬を買い続けたいので、ネット販売を行ってください』という方がいますし、『これを解禁するとまた睡眠薬で自殺する方がいて困りますからやめてください』という人もいます。国民の間で広く議論が進むことが重要ですので、その第一歩にしたいと思っております」と記者団の質問に答えた。
検討会で、規制に反対の三木谷浩史・楽天代表取締役らネット業界からは「販売する個数を制限するなど、ネット販売でも安全は確保できる」、伝統薬販売業界からは「企業が存続できなくなる。伝統薬の文化遺産が失われる」などと訴えた。一方、全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかりさんは「安全性の確保には対面販売が必要」と話し、児玉孝・日本薬剤師会会長は「第3類医薬品は販売が可能になったが、本来はすべて禁止すべき」との考えを示すなど、それぞれの立場からの意見が出された。…


