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マック赤坂はなぜ大島渚の葬式にサンタコスプレで現れたのか

2013年6月14日 11時00分 ライター情報:杉江松恋

『何度踏みつけられても「最後に笑う人」になる88の絶対法則』マック赤坂/幻冬舎

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マック赤坂はなぜ政見放送をスーパーマンや宇宙人のコスプレで行うのか。
マック赤坂はなぜ2012年の都知事選挙候補の公開討論会に乗り込み、麻布警察署に通報しようとしたのか。
マック赤坂はなぜ大島渚の葬式にサンタコスプレで現れ「天国でも、メリークリスマス」との言葉で弔意を述べようとしたのか。

そうした疑問に対する答えがすべて示される本だ。
『何度踏みつけられても「最後に笑う人」になる88の絶対法則』は、今や選挙の名物男となったマック赤坂が自身の来歴と信条について語る本である。ご存じない方のために書いておくと、著者は2007年の東京都港区議会議員選挙を手始めに、8つの選挙に出馬しており、最近では東京都知事選挙において38855票を獲得している(8位)。
著者の「スマイルで世界を救いたい」との主張が詳しく書かれているのは第2、3章、その前の第1章に赤坂の半生が綴られ、第4章に選挙活動などの実態が明かされている。

赤坂は京都大学農学部の出身であり、在学中は吉田寮に入っていた。赤坂によれば、その吉田寮で数々の奇人に出会った体験が後の人格の礎となったという。
理系ではあったが推薦はとらず文系就職。財閥系ではない伊藤忠商事に入社した。彼に「△」をつけた面接官は「元気なのはいいけど元気すぎる」とのコメントを残しているという。
うん、見る目あるね、その面接官は。

伊藤忠商事ではやがて関係会社への出向を命じられ、出先ではプロパー社員から壮絶ないじめにあった(お茶に雑巾の絞り汁を入れられた可能性もあるとか)。それをものともせずはね返し、当時はまだ珍しかったレアアースの取引で頭角を現した。やがて本社に呼び戻す辞令が来たときは、さんざん放置しておいて勝手だ、絶対に戻らない、と言い出して担当者を慌てさせている。
その後40代で伊藤忠を辞めて独立、上から頭を押さえつけられる環境よりも単身で荒野を突っ走ることができる起業の道を選んだ。既存政党に属さずに政治の場へ参加する途を模索している著者らしい話だ。

本を読む限りでは、著者は純真な性格の方とお見受けする。ただし目標に向かってまっすぐに進まんとするあまりに物事を単純化しすぎる傾向がある(あと、なんで政治家志望者は、理想を唱えるだけ唱えて志半ばで散った維新の志士が好きなのかね)。たとえば、スマイルの効用をアピールしようとしてある種の精神病もそれで根絶できる、などと主張しているがさすがにそんなはずはない。
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ライター情報

杉江松恋

1968年生まれ。小説書評と東方Projectに命を賭けるフリーライター。あちこちに連載しています。

URL:Twitter:@from41tohomania

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