◆第108回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽準決勝 旭川龍谷10―11xクラーク国際=延長11回タイブレーク=(18日・エスコンフィールド北海道)

 北北海道では準決勝・エスコンの夢舞台でレジェンドと同姓同名の2人による“夢の対決”が実現した。旭川龍谷の先発左腕・鈴木イチロー(3年)とクラークの5番・田中将大内野手(2年)が初回2死三塁で激突。

田中は一ゴロに倒れたが、クラークは延長11回のタイブレークを制し、2年ぶりの決勝進出を決めた。

 左投げのイチローと、左打ちのマー君が18・44メートルの距離で相まみえた。初回、1点を失い、なおも2死三塁のピンチでクラーク・田中と対峙(たいじ)した旭川龍谷・鈴木は「名前的にも特別な意識はありました。やってやろうと」。フルカウントから渾身(こんしん)の直球で一ゴロに仕留めた。

 本家の直接対決は、2015年6月15日に米マイアミで行われた1戦のみ。マーリンズ・イチローがヤンキース・田中から2安打を放っている。同姓同名対決でもイチローに軍配が上がり、背番号10は「抑えられてよかった」とうなずいた。

 鈴木は、東京でカレー店を営むネパール出身の父・ジョーさんがファンだったことから名付けられた。高校では、同学年の中で五十音順に決まる練習着の背番号は偶然にもイチローの代名詞である「51」となり「運命を感じますね」。最速は130キロながら出どころの見にくいフォームを研究し、今夏は9年ぶりの4強入りに貢献した。

 田中も両親がファンだったことが名前の由来で、チームメートからの呼び名は「マー君」。

直筆サイン入りの写真が宝物だ。2年生ながら北北海道の名門で中軸を担い、春の北海道大会では両翼101・5メートルのモエレ沼公園野球場で本塁打を放つなど、長打力が持ち味。駒大苫小牧と早実が激闘を繰り広げた06年夏の甲子園決勝の映像などを見返してモチベーションを高めることもあるという。

 激闘の末、決勝にコマを進めたのはクラーク。2回0/3を3失点で降板した鈴木は、今夏限りで野球を引退。大学で経営学を学び起業するのが夢で「野球は楽しかった。悔いはない」。4打数1安打だった田中は「イチローさんの真っすぐは勢いがあって、上手だった。旭川龍谷の分も甲子園に行きたい」。イチローがマー君に先輩の威厳を示し、最初で最後の直接対決は幕を閉じた。(島山 知房)

 ◆メジャーでの田中将VSイチロー 対戦は1試合だけ、2015年のマーリンズ―ヤンキース戦で実現した。「2番・中堅」のイチローに対し、初回1死の第1打席は一、二塁間を破られる右前安打。

3回先頭では打ち取った当たりが二塁内野安打になった。2打席連続安打された田中将だったが、5回1死一塁ではストライク先行から見逃し三振。1―2の7回2死二塁では遊ゴロに打ち取り、直接対決は4打数2安打。イチローにリズムを乱され、7回9安打2失点と粘ったが、敗戦投手となった。

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