第14週「俺は笑って生きてっとう!」第82回 7月6日(木)放送より。
脚本:岡田惠和 演出:川上剛

82話はこんな話
1966年6月30日、ビートルズのコンサート初日。茨城から東京へ、宗男(峯田和伸)の妻・滋子(しずちゃん)がやって来た。
歴史的な日
4日に、峯田和伸が「あさイチ」に出演する予定だったが、台風に関する番組に変更、峯田は6日に改めて出演することになったものの、またしても豪雨の番組に代わってしまった。被害を受けている方々には、心から無事を祈りたい。
それにしても、2度も、出演番組がなくなるとは。かのビートルズだって、台風で飛行機が遅れたとはいえ、そこまでではない。
峯田和伸、相当、一筋縄ではいかない男である。
7日、3度目の正直で「あさイチ」に峯田和伸が出る(はず)。引っ張って引っ張って、ボルテージは最高潮だ。
さて、いよいよ、3日間にわたるビートルズのコンサートがはじまる日、宗男はすずふり亭でまたもハヤシライスを食べながら、「歴史的な日」について語る。
「歴史的な日」とは、「あのとき、自分がどこでどうしてたか、そういうことで盛り上がれる日」で「最近だとオリンピック」だと宗男は言う。
すずふり亭、柏木堂、福翠楼、あかね荘の人たちは、この日、みんなで赤飯を600人分作ったことを、各々の歴史に刻んだことになる。
みね子にとっては、かつて、夏の一日、雨が降って海水浴はできなかったけれど、乙女寮の仲間たちと男子ふたりと、夕暮れの海を見たことにつづいて、またひとつ思い出話ができた。
こうやって、人は、思い出を積んでいく。
まるで「まぶた閉じれば蘇る」・・・桑田佳祐が歌う、主題歌の「若い広場」の歌詞と同じように。
歴史的な日といえば、宗男が参加したインド北東部でのインパール作戦が中止になったのが、1944年7月3日、ビートルズが日本を発つ日と同じ日だった。
宗男がこだわった戦争の終わりは、ビートルズが日本でのコンサートいうミッションを終えて帰ることで、成仏したという意味もあるのかもしれない。
これまで、彼にとって、6月の終わりから7月の頭は、長らく戦争を思い出す日であったことだろう。でもこれからは、ビートルズの思い出に変わるのだ。あとお赤飯と。そう考えただけで、じわっと来るではないか。
愛があふれてる
そこへ、滋子が、とうもろこしをお土産に携えてやってきた。
それだけでなく、手づくりTシャツ(自分もおそろい)を宗男に用意してきたのだ。
満面の笑みの滋子(かわいい)だったが、スペルが間違っていた。
BIETLES
「Iが余計でしたね」とナレーション(増田明美)は言うが、宗男は「最高だよ、I があふれてっぺ」と喜び、
「うまい!」と鈴子に合いの手を入れられる。いつも宗男に喧嘩腰の元治(やついいちろう)も「いまのは認める」と言うくらいだ。だって、ほんとうに素敵だった。
滋子と宗男は、妻が大きくて、夫が小さい、ノミの夫婦。峯田としずちゃんがすごく仲良さそうで、微笑ましい。
滋子さん、なんで、顔だけ黒いのか、首や腕が白いぞ。
宗男は、なんで結婚指輪してないんだろう、などと思ったりもしたが、そんな視聴者の疑問にはお構いなく、ふたりは仲良く武道館へ。
中には入れないが、外から武道館が揺れるのを感じながら、「おれは笑って生きてっとう! おめえも生きろ」と宗男は絶叫するのだった。
インパール作戦の犠牲者の追悼式典が、2014年から毎年、インパールで実施されているそうです。
ちなみに、2017年の10月には、峯田和伸のバンド銀杏BOYZが武道館でライブを行う。私はチケットとりました。
(木俣冬)