かつて、K-1 MAX(中量級)で魔裟斗のライバルとして活躍し、10年3月に引退した小比類巻太信(34=小比類巻道場=旧名・貴之)が、3・9後楽園で約10年ぶりに再興されるリングス(前田日明代表)で、総合格闘家として2年ぶりに現役復帰することになった。小比類巻はベン・アボット(リングスUK)と77キロ契約で対戦する。
14歳で空手を始めた小比類巻はもともとリングスに憧れていたという。引退後は自身の道場で後進の指導に当たりながら、昨年からはPRIDEなどでファイトした大山峻護の下で総合の練習を積んでいた。小比類巻は「タイミングがバッチリ合った。打撃を生かして一発で倒すことを総合でもやっていきたい。リングスに上がる以上、KOで勝ちたい」と意欲を見せた。
小比類巻は97年1月31日、全日本キックボクシング連盟のリングでデビュー。
小比類巻が参戦するリングスは、前田代表が新生UWF解散後の91年3月に設立。オランダ、ロシア、グルジア、オーストラリアなどの格闘技大国にネットワークをもち、後にPRIDEで名を上げたエメリヤーエンコ・ヒョードル、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、ヒカルド・アローナ、ギルバート・アイブルらを発掘した。初期には正道会館から佐竹雅昭、角田信朗も参戦。日本人では田村潔司、高阪剛、長井満也、金原弘光、坂田亘(タレント小池栄子の夫)らが所属。
(落合一郎)