レビュー

知識で守る。これがインフレ時代における最大の生存術かもしれない。


本書は、インフレにあえぐこれからの日本の未来をどう生き抜くかという、サバイバルについての本だ。通常、サバイバルではまず、自然についての知識を深めるように、本書もまずは、金融の知識が身につくような構成になっている。金融の知識と聞くと難解なものを想像するが、決してそうではない。本書は金融の入門書としても最適なのである。
金利や国債といった用語がいまいち分かりづらい理由の一つに、どういう理屈でそうなっているのかつかめないことがある。たとえば、国債の価格が変動して金利も変わった、と言われても、どこか遠い世界のことを聞いているような、ある種、浮世離れした話に感じるだろう。
本書は、こうした「雲の上の話」を目の前に下ろしてくる……すなわち、身近な話に置き換えて分かりやすくしてくれる。これが、本書の携える最強の武器といえるかもしれない。そうやって基礎知識を固めた上で、インフレ時代に効果的な投資の仕方を知ることができるのだ。
投資の世界については、投資の知識のない人間が迂闊に手を出して大やけどをするイメージを持つ人もいるかもしれない。実際、たびたび芸能人の失敗談がニュースを賑わせている。本書が優れているのは、身の丈にあった投資法がわかるだけでなく、こうした「ハイリスクな投資がなぜ失敗したのか」ということも理解できる点だ。

資産運用が不安という人にも勧められるし、単純に金融について基本的なことを知りたい人にも勧められる本である。

本書の要点

・お金を借りるという行為は、自分が稼ぐはずのお金を未来から現代に持ってくるようなもので、銀行はその「タイムマシンの使用料」を利子として取り立てる。
・インフレに強い資産。それは、「人的資本」である。これは働いてお金を稼ぐ力のことだ。この人的資本から富を得る期間を可能な限り長くすることが、人生の最適な戦略と言える。
・インフレに強い金融商品は株式だ。プロの投資家でもない限り、一般人の投資戦略はNISA一択である。



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