※本稿は、宮脇啓輔『一言で話せ。仕事ができる人の1%会話術』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■話さない人ほど、伝える力がある
私は、学生時代までは「おしゃべりな人」や「社交性の高い人」がコミュニケーション力が高いと考えていました。
しかし、社会人になるとその考えは一変します。
会議でキレよく発言できる人、何を相談してもすぐに打ち返せる人、こうした限られた時間で有意義な話をたくさんできる人は「あの人は仕事ができる人」と、周りから評価されます。
つまり、おしゃべりなことと、仕事で通用するコミュニケーション力は別物です。
会議で答えに詰まる人もいます。
真面目な人ほど「話はしっかりするべきだ」という思い込みが強く、聞かれたことにうまく返答できなかったりします。
話すことに疲れてしまうのです。
なぜでしょうか。
その理由は、大きく3パターンあります。
(1)会話への心理的ハードルが大きい⇒不要な準備や心理的負担
(2)会話に集中しすぎる⇒不要な箇所で思考体力を消費する
(3)会話が長くなる⇒ミーティングの時間が長引く
もちろん、仕事をする上ですべてを省略できるわけではありません。
綿密な準備が必要な商談や、1秒たりとも気を抜けない社長との会話、来期の戦略を立てる時のロングミーティングなど、絶対的に疲れる会話は存在するのです。
こうした場面で最大のパフォーマンスを引き出すためにも、日常会話では力を抜くことが大事です。
■話し方には、「型」がある
プライベートシーンの会話とビジネスシーンの会話で求められるコミュニケーションは、大きく違います。
プライベートでは情緒的なやり取りがなされます。
友人と他愛もない会話をしたり、家族とニコニコと笑いながら話したりします。
しかし、ビジネスシーンでの会話ではどうでしょうか?
必ず仕事の会話には目的があり、会話自体が目的になることは決してありません。
だからこそ、結論から簡潔に話す、構造化してわかりやすく説明する、といった作法が求められます。
例えば、
「結論から言うと、Aに問題があります」
「ポイントは3つあり、一つ目は……です」
「私は賛成ですが、もっと良いアイディアがあります」
このように簡潔に話せる人が、仕事ができる人です。
ビジネスシーンでは、会話にシンプルな型があります。
この会話の型を知っているだけで、スムーズに効率よく仕事は進むのです。
例えば、こうした言い方です。
「承知しました」「今から対応します」
「明日には提出します」
この会話の型を話すだけで、仕事は動きます。
必要のないことを話す必要はありません。
あなたは、信頼関係ができたり、仕事上の共通言語が増えた相手に対しては、少しずつ会話を減らしていくべきなのです。
それがムダな時間を省き、お互いの仕事の生産性を高めます。
しかし関係ができている人ばかりではありません。
本書に書いた「一言で話す技術」をあなたが習得すると、関係がまだできていない人に対しても、ムダで余計な説明をせず、しっかりと要点だけで伝えられるようになります。
■「型」を使うだけでコミュ力が高くなる
私はこれまで、いろんなビジネスパーソンと話してきましたが、“あらゆる場面で会話が下手くそ”という方にはいまだ会ったことがありません。
誰でも、場面が変われば、普通にうまく話せるものです。
例えば、こんな人たちがいます。
・ミーティング時の簡潔でわかりやすい会話は苦手でも、取引先の懐には入り込める人
・質疑応答は苦手でも、台本があるとスラスラ話ができる人
・熱量が必要なプレゼンに弱いけれど、ロジカルな説明は得意な人
この人たちは、コミュニケーション能力が低いわけでも会話が下手なわけでもありません。
その場に適した会話ができないだけなのです。
■会話は型、覚えれば誰でも話せる
ズバリ、断言します。
会話は型です。
この「型」さえ覚えておけば、誰でもうまく話せるようになります。
例えば、
会議では、
「結論、Aだと思います」と、自分のポジションを明らかにします
相談では、
「2点相談があります」と、論点の数から提示します
報告では、
「現在の進捗は……」と、今の状態から話します
それぞれのシーンに適した型があるのです。
この型を使うことで、あなたの評価は大きく変わります。
会話の型を習得できれば、“コミュ力の高い人”になることができます。
このように、会話には型があると知ってから、私は、
「交流会ではひたすら聞き手に回る」
「採用面談では先に自己開示する」
「プレゼンでは相手の表情を見ない」
など、適切な会話の方針を打ち立ててから取り組んでいます。
このように「話し方」は能力ではなく、技術なのです。
あなたは、コミュニケーション力が低いのではありません。
やり方を知らないだけです。
そして、その最も基本となる技術が、「一言で話す」なのです。
仕事ができる人は、自然とこの「一言で話す」技術を身につけています。
本書では、仕事のあらゆる場で求められる瞬発力や省エネでうまく会話する方法と、その習得方法についてご紹介していきます。
ぜひあなたも実践してみてください。
■優等生だった人ほど話が伝わらない
学生時代に、「真面目だね」「優等生だね」と他人から言われてきた人ほど、社会に出てから伸び悩む人が多いと感じています。
学校では、先生の話をよく聞く人が評価されます。
しかし仕事では、評価の基準がまったく変わります。
学校には正解がありますが、仕事には正解がありません。
上司の指示が最適だとは限りませんし、クライアントの要望通りにやればうまくいくとも限りません。
仕事では「自分の言葉で話す力」が求められます。
ところが、真面目な人ほど、
・正確に説明しようとする
・全部伝えようとする
・誤解されないよう丁寧に話そうとする
つまり正確に話すことに真面目になってしまうのです。
■正確ではなく「最適」に話す
その結果、話が長くなっていきます。
仕事で評価される人はその逆です。
正確に話すことより、最適に話すことにコミットします。
最適化をしていった結果、まさに一言で話す技術を手に入れるのです。
例えば、
上司が「進捗どう?」と聞いた時
悪い返答例
「昨日から着手を始めて、今も絶賛資料をつくっている途中です。いろいろな人の助けをもらいながら進めており、いい感じに進んでいます。なんとか明日中にできるように進めていきます。」
良い返答例
「現在完成度80%で、明日には必ず終わります。」
会議で意見を求められた時
悪い返答例
「昨日アドバイスをもらったのでいろいろ考えていたのですが、A案とB案で迷っています。A案はコスト面でメリットが大きく、B案は過去の実績からかなり信頼感があります。」
良い返答例
「私はA案に賛成です。理由はコストです。そのほかのメリットは今回は取らなくていいと思っています。」
これだけで、「仕事ができる人」という印象になります。
仕事の会話では、「正確さ」より「簡潔さ」が重要です。
「結論から言うと」
「ポイントは2つ」
「同意です」
この一言だけで、仕事は前に進みます。
そして、前に進めば、ビジネス会話として成立しているのです。
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宮脇 啓輔(みやわき・けいすけ)
unname 代表取締役、マーケティングコンサルタント、日経COMEMOキーオピニオンリーダー
1991年3月生まれ。滋賀出身、立教大学卒。2014年、新卒でサイバーエージェント入社。
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(unname 代表取締役、マーケティングコンサルタント、日経COMEMOキーオピニオンリーダー 宮脇 啓輔)

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