ワールドカップ準決勝で対戦することになったアルゼンチンとイングランド。
フォークランド紛争を含めて因縁がある両国は、これまでワールドカップの舞台で何度も対戦してきた。
このほど、FIFAはこの試合で両チームが着用するユニフォームカラーを発表。
イングランドが白のホーム、アルゼンチンが青と黒のアウェイユニフォームを着ることになった。
『TN』などによれば、アルゼンチンサッカー協会は、イングランド戦に関してFIFAに特別な要望を提出していたとか。
それはイングランド戦でアウェイユニフォームの着用を希望しているという旨だったとされている。
アルゼンチン側が実際に要望したのか、また、FIFAがそれを受け入れたのかは定かではない。
ただ、アルゼンチンが、イングランド戦でアウェイユニフォームを着たがる理由があるのも確か。
ディエゴ・マラドーナ擁して優勝した1986年大会、そして、1998年大会で、アルゼンチンはいずれもアウェイユニフォームを着てイングランドを撃破しているのだ。
逆に2002年日韓大会はアルゼンチンが白と水色のホーム、イングランドが赤のアウェイを着用。札幌ドームでの試合はイングランドがデイヴィッド・ベッカムのPKで勝利することになった。
つまり、アルゼンチンはゲン担ぎの意味でアウェイユニフォームを着用したがっていたという説だ。
なお、マラドーナの『5人抜き』と『神の手』が生まれた1986年大会の一戦は、メキシコの高地アステカで行われた。
『TN』によれば、当時着用した青いユニフォームにまつわる驚きの物語があったそう。
医師免許も持っていたアルゼンチンのカルロス・ビラルド監督は、キットサプライヤーの「ルコック」に特別なユニフォームの製作を依頼。
汗がこもらず、熱を帯びたり重くなったりしないよう、非常に軽量で通気性のよい生地で作るという要望に同社は応えた。ただ、それはホームユニフォームだけで、青のアウェイユニフォームは綿製だった。
正午キックオフのイングランド戦は強烈な暑さが予想されていたため、アルゼンチンはホームと同じ仕様のアウェイユニフォームを要望したが、試合3日前に「そんな短期間で作るのは不可能だ」と告げられてしまう。
ビラルド監督は、地元のスポーツ用品店で、同じルコック製の青いユニフォーム――より軽量なもの――を買ってくるように指示を出した。
時間との戦いのなか、アルゼンチンサッカー協会の担当者は、メキシコシティ中を奔走。6軒のスポーツ用品店のうち4軒では収穫がなかったが、残りの店で指揮官を満足させられそうな候補を2つ見つけた。
だが、ビラルド監督はどちらも却下。軽さも通気性も不十分だったからで、正規品ですらなかった。
そのユニフォームには背番号もアルゼンチンのエンブレムも入っていなかったため、地元クラブ・アメリカが手配した裁縫師たちが急いで刺繍しなければならなかったが、チームは結論を出せずに刻一刻と時間は過ぎていく。
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そうしたなか、動いたのがマラドーナ。彼は2着を手に取って吟味し、生地の感触を確かめたうえで、1着を選び出した。
なお、マラドーナが伝説的2ゴールを叩き出した一戦で着ていた青いユニフォームは、銀の背番号も急ごしらえで取り付けられたもの。実はアメリカンフットボール用のユニフォームから流用されたものだったそう。
筆者:井上大輔(編集部)
画像提供:Getty Images

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