韓国首都のソウルでは2023年ごろから、外国人客を狙う「あの手この手のぼったくり」が行われ、問題視されている。最近になり、同市内の広蔵(クァンジャン)市場で「新たな手口のぼったくり」が行われてたことが分かった。

香港メディアの香港01が伝えた。

広蔵市場は韓国でも特に古い露店が並ぶ市場街で、食べ物を提供する屋台もあることなどで、足を運ぶ観光客も多い。「新たな手口のぼったくり」は、「グルメ男」というユーチューブ(Youtube)チャンネルが、広蔵市場の屋台で食べ物を注文した時の動画を3月10日に発表したことで知られることになった。

動画では、撮影者と友人が英語で肉ギョーザを注文した。ところが店側は、「ミックス」と言って、キムチ入りのギョーザが盛られた皿を出した。肉ギョーザなら1皿5000ウォン(約560円)だが、ミックスギョーザだと1万ウォン(約1100円)と、価格は2倍という。

動画は、店側が東南アジア系とみられる客に、同様の行為をする様子も紹介した。

動画投稿者は「人の目の前でこんなことをするなんて、言葉も出ない。(同行した)友人も、私の表情がこわばるのを見て、状況を察して言葉を失った。(かえって自分の方が)恥ずかしくなった。何を言えばよいのか分からなかった」とコメントした。

広蔵市場についてはしばらく前も、「ぼったくり行為」を示す動画が発表された。

客が6000ウォン(約670円)の腸詰を注文したところ、店主が「少し追加してあげましょう」と言った。客は、量を少し多くしてもらえると思い気にしなかったが、会計の際になり、出された食べ物は1万ウォンの五目腸詰と知ったという。

ソウル市では23年10月に価格表示制度が導入され、小さな店舗でも商品ごとに価格が示されるようになった。それまでは客が価格を尋ね、店員が答える方式だったが、相手によって価格を変更できるので「外国人観光客相手にぼったくりが横行し、韓国観光のイメージを損ねている」と指摘する声が上がっていたという。しかし「ぼったくり防止策」が導入されても、少なくとも今のところは「あの手この手のぼったくり」は続いている。ネットではぼったくり行為の横行に、多くのユーザーが怒りの声を上げているという。

(翻訳・編集/如月隼人)