サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会は「史上最も環境に悪い大会」だと、英国のシンクタンク「新気候研究所」が指摘している。試合数が従来の約1・6倍になり、観客が広大な北米大陸を移動するため航空機が排出する温室効果ガスの量が大幅に増えると分析。

国際サッカー連盟(FIFA)の気候変動問題への配慮が足りないと批判している。

 研究所などは昨年7月公表の報告書で、今大会で排出される温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)換算で少なくとも902万トンに上ると推計。2010~22年に開かれた4大会の平均の1・9倍以上で、米国内を走る自動車196万台以上の1年間の排出量に相当すると説明した。

 背景にあるのが参加チーム数の増加だ。FIFAは収益強化などを狙って今大会の出場枠を従来の32から48に拡大した。64だった試合数は104に増えた。

 報告書は16の開催都市が鉄道ネットワークの充実していない米国、カナダ、メキシコに広がる点に言及。観客らの航空機移動が拡大し、温室効果ガスの大量排出につながると指摘している。

 FIFAは21年の「気候戦略」で、温室効果ガス排出量を40年までに実質ゼロにすると表明。一方で環境への負荷を増やす出場枠変更をしたとして、報告書は「気候変動への影響を顧みていない」と批判。世界有数の石油企業、サウジアラビア国営サウジアラムコとパートナー契約を交わしたことも問題軽視の表れだとの見方を示した。

 FIFAのインファンティーノ会長は、30年のW杯スペイン・ポルトガル・モロッコ共催大会は、出場国をさらに16増やして64へ拡大する構想を明らかにしている。

同大会は100周年記念として南米のウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイでも開催。北中米より試合増かつ広範囲となる可能性がある。

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