大相撲名古屋場所4日目(15日、IGアリーナ)

 東前頭13枚目・錦富士が西前頭16枚目・朝紅龍を寄り切り、3連勝で3勝1敗とした。場所前に親交のあるプロ野球・中日の涌井秀章投手(40)、仲地礼亜投手(25)から特注の浴衣をプレゼントされ、初日から着用。

恩返しの思いを胸に賜杯争いに挑む。横綱・大の里は東前頭2枚目・豪ノ山に押し出され、早くも3敗目を喫した。勝ちっ放しは大関・霧島、平幕の獅司、若ノ勝の3人となった。

 錦富士が鮮やかな速攻を見せた。朝紅龍に右で張って上手を取り、左も差して一気に走った。わずか1秒9で寄り切り、「いい攻めができた」とうなずいた。初日黒星から3連勝と波に乗り、「一日一番取っていった結果。場所前の稽古で調子が良くて、今場所は全勝するつもりで来ていたので」と充実感を漂わせた。

 今場所はプロ野球で4度の最多勝に輝いた右腕から力水を受けて戦っている。初日から着用する青地の浴衣には「涌井秀章」「仲地礼亜」の名前とシルエットが刻まれている。昨年3月の春場所で首を痛めて途中休場し、幕内から十両に転落した。けがに苦しみながら過ごしていた1年前。

同じ先生に治療を受けていた縁で親交のあった涌井が「幕内に戻ったら浴衣を作りたい」と励ましてくれた。

 昨年の九州場所で幕内に復帰すると、すぐに生地やデザインの選定が進んだという。今月上旬に名古屋で会食した際、肘を痛めた経験を話し合うなど交流のあった22年ドラフト1位右腕の仲地と連名でプレゼントされた。「涌井さんは物腰が柔らかくて、おいしいものを教えてくれたり、めちゃくちゃいい方。自分がけがをした時も気にかけてくれて、浴衣も本当に作って下さった。男気を感じて、すごくありがたいなと思います」と感激した。

 涌井は名古屋場所初日の前日(11日)の広島戦(バンテリンドームナゴヤ)に先発して6回1失点。今季初勝利を挙げ、史上3人目となる入団1年目から22年連続勝利の金字塔を打ち立てた。「僕も頑張らないといけない。その思いに応えられるように、いいところを見せたい」と奮い立った。自身も1883年から143年続く青森県出身幕内力士の歴史を懸命につないできた。全勝の大関・霧島らを1差で追う29歳が、同じ名古屋を舞台に土俵で盛り上げる。

(林 直史)

 ◆錦富士 隆聖(にしきふじ・りゅうせい)本名・小笠原隆聖。東前頭13枚目。1996年7月22日、青森・十和田市生まれ。29歳。9歳で相撲を始め、十和田中、三本木農(現三本木農恵拓)を経て近大を中退し、伊勢ケ浜部屋に入門。2016年秋場所で初土俵。22年名古屋場所で新入幕。敢闘賞1回。184センチ、155キロ。得意は左四つ・寄り。

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