NHKで放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜・後8時)を手がける脚本家・八津弘幸氏がこのほど東京・渋谷の同局で取材会を行い、斬新な歴史解釈やSNSでの反響などについて語った。

 歴史を新しい解釈で大胆に描く今作について「大河を引き受ける時点で歴史の縛りは避けて通れないが、脚本を書く時に楽しそうでワクワクできそうだったので面白く書けると思った」と取り組み始めた。

その上で「『絶対にこれはないよ』という部分は犯しちゃいけないと思いつつ、いけるところは極力攻めようと思っている。今の人たちが見て面白くなるように作りたい」と、物語終盤の執筆に意欲を示した。

 2013年に社会現象を巻き起こしたTBS系「半沢直樹」など、大ヒット作を担当してきたことで知られる。同作では「倍返しだ!」の決めゼリフがあったが「今回はあえてそういうことはしない」と笑いつつ、「秀長が目指す、みんなが幸せになる『万事円満』みたいなことはキーワードとしては存在している」と説明した。

 奇想天外ともいえる歴史描写には批判もある。「賛否が激しく盛り上がっていることも承知しているが、ありがたいこと。SNSでは僕の思いを分かってくれてコメントしてくれている人もいる」と前向きに受け止めている。その一方で「いろいろ揶揄(やゆ)されそうだなとは想定していた。目の当たりにするとつらくはなるが、そういうものはあえて見ないようにしている」と本音ものぞかせた。

 それでも、脚本家を志した頃からの目標だった大河ドラマに携わることに「一生に1回できれば本当に幸せなこと。この1回は悔いを残したくない。自分が書きたいものは何なのかを見失わないようにしている。

『いい』と言ってくださる方もたくさんいるので、それを励みに最後まで頑張りたい」とうなずいた。

 信長に滅ぼされた浅井家の当主・長政(中島歩)を妻のお市(宮﨑あおい)が介錯(かいしゃく)した第17話「小谷落城」についても自ら触れ「物議を醸した小谷城の回も、悔いはないし素晴らしい回になった」。全てのエピソードを苦心して書き上げたからこそ、いとしさが生まれるとして「これ以上のものは今後書けないと思う。代表作です」と胸を張った。

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