◆プロボクシングトリプル世界戦 ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・増田陸―同級2位・比嘉大吾 (20日、両国国技館)

 プロボクシングのトリプル世界戦の公式会見が18日、東京・文京区の東京ドームホテルで行われた。WBA世界バンタム級王座決定戦に臨む同級1位・増田陸が、「紫電一閃(しでんいっせん)」の左ストレートで同級2位・比嘉大吾を下し、初挑戦で世界王座を獲得する決意を示した。

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 増田が、目の前に置かれたWBAベルトに視線を向けた。「あさって両国国技館のリングで、目の前のベルトを掲げている自分をイメージしている。そのベルトは自分にとても似合っていると思う」。落ち着き払った表情に、自信がみなぎっていた。

 最大の武器は一撃必殺の左ストレート。父親から授かった「紫電一閃」という言葉は、スタッフTシャツやファンへの手紙にも記される自身の信条でもある。「研ぎ澄まされた刀が振り下ろされた時に一瞬で光るひらめきを表した言葉。一発で試合がひっくり返る自分のボクシングのイメージです」。窮地さえ好機に変える左への揺るぎない信頼を、四文字熟語に込めた。

 相手の陽動作戦にも、心は揺るがなかった。比嘉陣営の野木丈司トレーナーは、比嘉の沖縄の大先輩である帝拳ジム・浜田剛史代表が1986年に1回3分9秒KO勝利でWBC世界スーパーライト級王座を奪取した試合を引き合いに、「浜田さんの試合を重ねたい」と初回から勝負をかける作戦を口にした。ただ、増田は一歩も引かなかった。

「非常に楽しみですし、そういうふうに仕掛けてこられる練習もやってきた。カウンターに気をつけてほしい」。自信に満ちた返答で応酬した。比嘉も「1ラウンドから行くのは危険だなという気がしてきた」とはぐらかすなど、両者の思惑が交錯した。

 決戦の舞台は、浜田氏が王座を獲得した両国国技館。当時は初回KO劇に約1万人の観衆が総立ちとなり、数十枚の座布団が宙を舞った。「浜田さんの試合のように座布団が舞うことはないと思うが、素晴らしい試合をしたい。世界初挑戦、一発で取りたいという思いが強い。このベルトにふさわしいボクシングをしたい」と増田。紫電一閃の左ストレートが振り抜かれた瞬間、新たな世界王者が誕生する。(勝田 成紀)

比嘉大吾 世界でも極めて異例の4戦連続世界挑戦へ「今回は倒して勝ちに行くという姿勢を見せたい。リスクを取らないと、同じ結果に終わったらまた後悔する」と果敢に攻める覚悟を示した。

増田の「紫電一閃(いっせん)」に対抗し、自身のテーマとなる四字熟語を問われると「七転び八起きって(トレーナーの)野木さんは言ってますが、転ぶ回数が多すぎますね。『銭』みたいな四字熟語はないですかね。勉強してから、みんなの前で発表します」と頭をかいた。

紫電一閃「紫電」は刀の振りによって生じる光、「一閃」は一瞬のひらめきで、わずかな時間での急激な変化を意味する。増田陸は、室町時代の日本刀を所持している。

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