◆サッカー北中米W杯▽決勝 スペイン1―0アルゼンチン(19日、ニューヨーク・ニュージャージー競技場)

  【ニューヨーク(米ニューヨーク州)19日=ペン・金川誉、カメラ・山崎賢人】アルゼンチンはスペインに0―1と敗れ、1934、38年のイタリア、58、62年のブラジル以来となる、史上3チーム目の2連覇を逃した。いずれも大会2位の8得点、4アシストのFWリオネル・メッシ(39)はシュート1本の無得点に終わり、母国を連覇へ導くことはできなかった。

試合後はサポーターから熱いエールを受け、涙をこぼした。メッシとサポーターの絆(きずな)を、担当者が「見た」。

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 涙の意味を、メッシ本人が語ることはなかった。それでも、表情がすべてを物語っていた。敗戦後、銀メダルをトランプ大統領から受け取り、白と水色に染まったスタンドへ歩み寄る。キャプテンとして、先頭で落胆するスタンドの前に立った。すると、サポーターたちは絞り出すような大声でチャント(応援歌)を歌い、その名を叫び続けた。メッシはあふれる涙をぬぐうこともせず、ただじっと立ち尽くしていた。

 6度目のW杯でたどり着いた決勝は、第2の故郷と言えるスペイン戦。試合前日、SNSに「何が起ころうとも、既にこのチームは誰も消し去ることのできない歴史を刻んできた」と投稿した一戦は、徹底されたスペインの組織的守備の前に封じられ、決定機を作れぬまま延長戦へ。1点を追う延長後半12分、左足でチーム初となるシュートを放ったが、相手の懸命なブロックに防がれた。

 試合終了の瞬間は、ピッチに崩れ落ちて座り込んだ。

その後はスペインの若き至宝・ヤマルと抱擁をかわした。18年以上前、イベントで赤ん坊だったヤマルをお風呂に入れる写真が、決勝前に大きな話題を集めていた。試合後の様子は、主役を次世代に譲り渡すかのようにも映った。

 得点ランクではエムバペに次ぐ8ゴールと、39歳を迎えてもなお、世界トップであることは証明した。ただ、2022年カタールW杯の優勝後に一度は代表引退をほのめかしながら復帰した経緯もあり、今回のW杯が最後となる可能性は高い。だからこそ、失意のなかでもサポーターは、計り知れない歓喜をもたらしてきた背番号10に、最大限の敬意と惜しみない感謝を送り続けたのだろう。

 試合後は口を開くことなく会場を後にしたメッシ。連覇には届かなかった。それでも静かに流した涙が、W杯の歴史の一幕となった。(金川 誉)

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