◆JERAセ・リーグ 巨人3―1広島(20日・東京ドーム)

 巨人が9連戦最後のカードの初戦を鮮やかな逆転でものにした。1点を追う6回2死満塁で、笹原操希(みさき)外野手(22)が走者一掃の逆転二塁打。

5回まで打ちあぐねていた広島・床田に土をつけた。笹原が打点を挙げた6試合で、チームは全勝だ。先発の井上温大投手(25)は7回6安打8奪三振1失点の好投でチームトップ、自己最多の9勝目。DeNAに敗れた阪神と並び12日ぶりに首位に浮上し、貯金も今季最多の9に積み上げた。

 重苦しい展開をひっくり返したのは、強心臓の新星だった。笹原は二塁ベース上で息を整えながら、ベンチに向かって両手を突き上げた。「次につなぐ気持ちでした。(井上)温大さんがいい投球をしていたので、逆転できてよかったです」。0行進に終止符を打つ逆転の3点適時二塁打。打点を挙げればチームは6戦全勝。7月で3度目の決勝打を放った。

 0―1の6回1死満塁でキャベッジが浅い左飛に倒れた直後の打席。

カウント2―1から懐に食い込む127キロスライダーに反応した。体をくるりと回転しながら、左翼線に鋭いライナーを運んだ。一塁走者の坂本も激走でホームイン。若手とベテランが束になって難敵左腕・床田を攻略した。7番での打率は打順別で最高の4割9厘。“恐怖の7番打者”として、役割を全うした。

 支配下に初昇格した昨季は13試合で20打数2安打。「もともとはめちゃくちゃ緊張するタイプで…。打席でふわふわしてる感じがめっちゃありました」と足がすくみ、力を発揮しきれなかった。変身のきっかけとなったのは石井2軍監督が春先からミーティングで口酸っぱくヤングGに呼びかけた「打ちたい気持ちはあっても、頭は冷静に」の言葉。「それを意識してます。今年は大丈夫ですね」と、心臓に毛が生えた勝負強い打者に生まれ変わった。

 「青春ジャイアンツ」と題して行われる広島3連戦の第1ラウンド。上田西(長野)から21年育成ドラフト4位、青春まっただ中でプロの世界に飛び込んだ。24年オフに臨んだ台湾でのウィンターリーグでは他球団の選手と相部屋で約1か月を過ごした。現地の食事が合わず、三塚とともに宿舎近くの「すき家」で語り合いながら牛丼をかき込んだこともいい思い出だ。1軍での活躍を夢見て汗を流した武者修行の日々。その一ページ一ページが、今につながっている。

 新星の一打でチームは9連戦の勝ち越しを決め、今季最多の貯金9。阪神と同率首位に浮上した。育成時代から世話になってきた井上と肩を並べて東京Dで初のお立ち台に上がり「うれしい。それがうれしいです。こんなことになるとは思っていなかったです」。本拠地の大歓声が、輝き始めたニュースターを温かく祝福した。

(内田 拓希)

 〇…笹原が新愛称を“容認”した。SNSでは一部で、容姿が石破茂前首相に似ていると話題に。「丸さんとか、めちゃ言ってました」と明かし「(ファンからの愛称は)何でもいいです。好きにしていただければ」と照れ笑い。

 ◆笹原 操希(ささはら・みさき)2004年2月9日、長野市生まれ。22歳。上田西から21年育成ドラフト4位で巨人入団。25年4月に支配下登録、1軍で13試合20打数2安打。オフに再び育成契約になり、今年6月25日に支配下に再昇格。翌26日に1軍合流。180センチ、86キロ。右投右打。

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